国際協力業界でのキャリアアップとリスクテイク

国際協力業界の知人からメールをもらって、目が覚めた思いがしました。

JICA職員のようなごく一部を除いて、国際協力業界のキャリア構築は転職と就活の繰り返しとなります。

そう考えればたしかに、私のように安定した終身雇用(JICA職員)を投げ打って、キャリアアップを図る人は稀です。

ただ、全体を見渡せば稀な終身雇用という状況に甘んじず、自分の目指す方向へリスクテイクし、キャリアアップを狙うことができているのは幸せなことなのかもしれません(その代わりいつまでたっても独り身、居酒屋へ行けない、友達と疎遠になるなどのリスクはありますが・・・)。

話を戻します。今日、同業の知人からメールをもらったのは、博士課程への進学を考えているという話。

実は私自身も、JICA在籍時に3回(足掛け3年)にわたって、ヨーロッパの博士課程に応募し、失敗しています。

一旦挫折していたものの、ILOへ来て、自分の専門性を今一度高めなければ10年20年後に戦っていけない。

そう感じるようになりました。

これまで私がJICAで経験してきたような組織のマネジメントの仕事であれば、学問よりも業務経験が大切です。

しかし、もし私がこれからILOのような専門機関で仕事をしていく覚悟を決めるのであれば、組織力よりも個人力に頼ったキャリアとなることでしょう。

私の知る限り、JICAや多くの国際機関では、業務を外注し、調査・分析などを監督する立場にあります。

一方、専門機関と呼ばれるILOのような組織であれば、自分が専門家でなければなりません。

仕事を辞め、PhDへ進学するというのは更なるリスクテイクになります。

そうした努力とリスクテイクをできる人だけが、更なる高みを目指すことができるのもまた、事実かもしれません。

キャリアアップを図るということは、仕事やプライベートの何かを犠牲にすることとある種表裏一体な側面もあると思います。

何が正解なのかわかりませんが、そうやって皆、悩みながらキャリアを考えています。

キャリアセミナーでは明るい側面だけがスポットライトを浴びます。

このページのコラムでは、明るい側面だけでなく、リアルな実情もしっかり伝えていけたらと思います。

若干ネガティブな感じになってしまいましたが、「国際協力業界のキャリアアップは常に就活と転職の繰り返しで、みんな一緒ですよ」ということを伝えたかったです。

駄文になりましたが、今日はこの辺で失礼します。

最後に、私の好きな古い曲をお届けし、お別れです。

河島英五、時代おくれ