オンラインコースを作成するために自分の声のレコーディングをしながら思うこと

本格的に仕事をはじめて8年目ですが、これまでほとんど自宅に仕事を持ち帰ったことがありません。

そんな私が、この週末は仕事を一つ持ち帰っています。

レコーディングです。

あるオンラインコースを作っていて、プレゼンの声をスライドに被せる作業を自前でやっています。

英語ネイティブじゃないので嫌だったのですが、仕事なので仕方ない。

そういうわけで、一枚一枚スライドをめくりながら、ひとりで録音しては聞いて編集しているわけです。

テイク100で、33時間・・・

20枚くらいのスライドなので、当初は「一本撮り」をやろうと思っていました。

要するに、通しで一発で終わらせる作戦です。

しかし、世の中そんなに甘くはない。

噛んだら撮り直し、また撮り直し、ということを繰り返すこととなりました。

そうするとスライド1枚につき、なんとテイク100。

テレビドラマの失敗集どころの騒ぎではありません。

撮り直し100をスライド20枚分やっていたら、2000回撮り直さねばなりません。

1枚当たり1分だとしても、2000回やれば2000分。33時間・・・。

ようやくこれは無理だと気づき、一本撮りを止め、音声編集で切り貼りすることに。

そもそも何で私がレコーディングしているのか

やっているうちに、大きな疑問が沸いてきました。

「そもそも何故オレが録音しているのか・・・」

この案件、イギリスのコンサル会社へ発注し、スライドをその会社が作りました。

それならなぜ、声の録音や動画の編集もやってもらわなかったのだろう。

業務実施契約と役務提供契約

私もこの件は途中から参加したので詳しくはわからないのですが、おそらく、契約が曖昧だったのと予算不足だったのかと思います。

日本のODAの場合、外部発注する場合はかなり詳細に業務計画を詰めて、成果品の納入を持って報酬を支払うのが一般的です。

いわゆる業務実施契約というやつです。

一方、こちらで多いのは、成果報酬ではない役務提供契約が多い気がします。

それが原因で、成果品が完成していなくても契約が終わってしまい、いろいろなドラフト文書が我々の手元に残る。

それらを最終版として世に送り出すのが私の仕事の大部分を占めている気がします。

要するに、編集者に近いかもしれません・・・。

今回の契約書がどうなっているのかわかりませんが、当初計画からレコーディングまで入れておけばよかったのにな。

と思いながら、私の土日は消えていきそうです。

ネイティブはほぼいない

ちなみに、このコースは12回分あって、私は1回分のみレコーディング担当。

手分けしてみんなで12回分レコーディングするという途方もない作業をやっています。

特筆すべきは、ネイティブはほぼいないということ。

ILO本部、特に私の所属部署には英語ネイティブはほとんどいません。

今回のコースについても、男性、女性、ドイツ、フランス、ブラジル、イタリア・・・など、様々な声色、アクセントが含まれるように配慮しています。

この点はとても良いと思います。

以前も書きましたが、開発途上国のノンネイティブの人と仕事をするとき、ネイティブ英語は本当に伝わりません。

拙いノンネイティブの英語の方が、みんなついてきてくれます。

まとまりのない文章になってしまいましたが、オンラインコースはお楽しみに。