#4880
Ippei Tsuruga
Keymaster

① 専門性について

まず、JICAも国際機関もキャリアパスは十人十色なので、一つの道でうまくいかなかったとしても、別の道を模索してゴールを目指せばよいのだと考えています。そのうえで具体的にどうするかが問題で、今回のご質問になったのだと察します。

教育・障害分野でどのように国際協力に携わりたいのか、ということですが、私の経験をお伝えしたいと思います。現在、障害と社会保障というトピックで一部仕事にかかわっています。私は障害分野の知見はほとんどありませんが、社会保障の観点から障害を持った人たちがアクセスしやすい社会保障制度を作っていく仕事です。このように、障害分野どのように仕事をしていくかを考えると、様々なアプローチがあるような気がします。

既に考察されているように、計画・立案・調整などのマネジメントの経験を積むのも一案ですよね。JICA専門家にも業務調整という職種があります。技術協力プロジェクトにおいては、一般的に2人程度の日本人専門家チームが派遣されることが多いです。この場合、チーフアドバイザーと業務調整という肩書がつく専門家の構成になります。チーフアドバイザーはご指摘の通り、分野の専門家。業務調整はJICAのプロジェクトマネジメントに精通した専門家です。教育・障害分野の業務調整を目指して、現在の経歴を生かしつつ、専門分野の知見を身に着けていく道もあるような気がします。この点は開発コンサルタントも同じで、業務調整の専門家はいらっしゃると思います。なお、JICAの企画調査員は、実質的にはJICA職員と変わらぬ役割で仕事に携わることができます。分野にあった職種が見つかれば良い経験になるかもしれませんね。

最後に、JICAにも国際機関にも共通して言えることですが狭き門である一方、中に入ってしまえばその後の仕事に繋がりやすいと一般的には言われています。私もその通りだと感じます。これは何も不公平な人選をしているわけではなく、内部の業務に精通している人とそうでない人を比較したときに、どちらを採用するかは明らかですよね。JICAにいたときにミッドキャリアの方の採用に多く携わった経験から言えば、応募してくる方は似たり寄ったりの経歴です。有名大学院を出て、輝かしい職歴を持っているか方ほとんどです。その中で、JICAや国際機関での経験があれば目立ちますよね。まずは中に入ってみて、それから模索するというのも一案かと思いました。

これで3つのご質問にお答えしました。追加でお応えできることがありましたら、ご遠慮なく投稿いただければ幸いです。