#7631
Ippei Tsuruga
Keymaster

ご投稿ありがとうございました。私も大学四年生の頃は本当に漠然とした目標しかなく、具体的なイメージが描けずにいました。その時点ではまだ、将来JICA職員として働いたり、国連職員として働いたりすることになるとは思いもしませんでした。ただただ、一か月、一年先を考え、一日、一週間を一歩ずつ進んでいた記憶があります。応援しています。

私は経験がないのでアフリカの大学院がどのようなところなのかわかりません。しかし、アフリカで大学院を過ごすのであれば、大学院時代にできたネットワークやコネを使ってアフリカでキャリアのスタートを切ってみてはどうでしょうか。それが良いのか悪いのかは私にはわかりませんし、おそらくどなたに聞いても無責任な回答しか返ってこないと思います。それは誰一人として同じキャリアを歩んだことがある人がいないからです。その意味で、私はアフリカの大学院へ挑戦するのであれば、アフリカでキャリアをスタートするのも他人目線からは面白いと感じます。

こうした理由から、頂いた質問への直接の回答はできません。勤務経験なしで国際機関や国際NGOのポストに就くことが難しければ、おそらく世の中にはこれらの機関は存在していないのではないかと思います。つまり、それぞれの機関にも大学院を終えてすぐに下積み(インターン・コンサルタント)から生き残っている人もいると思います。また、私の経験上、日本国内の機関に一旦入ると、西洋文化の強い国際機関へ就職することは一つハードルが上がると思います。誤解を恐れずに言えば国際機関は平等な組織ではありません。西洋の組織です。西洋文化の中でキャリアを積むことが、西洋文化の中で評価されるキャリア構成であることは間違いないと思います。

ビジネスにも携わるキャリアを志向している点については、とても良いと思います。開発資金の外観に目を向けると、世界の開発資金の過半数が既に民間資金で成り立っています。つまり、政府が主導する開発援助の影響力よりも民間資金の影響力が大きくなってきている時代です。たとえば、マイクロソフト創始者が立ち上げたゲイツ財団などはその典型です。ビジネスを通じた途上国への貢献というのはこれから益々重要性を増してくるのではないかと思います。

最後に2つウェブサイトをご紹介したいと思います。国際機関や人道援助機関での就職情報サイトです。大学生だろうが、キャリア30年のベテランだろうが、多くのプロフェッショナルがこれらのウェブサイトで就職情報を日々探し、応募しています。大学生にはまだ早いと言わず、一か月間毎日チェックしてみてはどうでしょうか。そして関心のあるポストがあれば応募要項をじっくり眺めてみる。そのうえで実際に応募してみても良いと思います。これが今後何十年も続くキャリアの中で私たちが日々やっている地道な作業です。一度経験してみると、少し具体的に見えてくるかと思い、以下のウェブサイトをお勧めしたいと思いました。

https://unjobs.org/

https://reliefweb.int/jobs