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  • Ippei Tsuruga
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    たしかに、修士号を資格として取っておくという側面は大きいですね。ようやくスタートラインに立つ感じです。

    自戒の念も込めて言えば、修士号で良い成績をとる(とれる)ことも大事な要素として考えておいた方が良いかもしれません。私は学部上がりで経験がなかったことから、論文を書くときにモデルとする国がありませんでした。途上国出身の同僚はもちろん自分の国を扱うので、国に関する知識でアドバンテージがありますよね。また、私は英語ができなかったため、作業も遅かったです。それが原因で、大学院での成績は散々でした。

    成績がなぜ大切かというと、将来的に欧米で博士課程へ進学したいと考えたとき、成績で足切りがあります。私はこれまで何度か博士課程進学を検討しましたが、結果的にどこも合格を頂けていません。私の成績は足切りラインの下だったのが大きな理由の一つだと思います。

    国際協力業界で専門性を高めて仕事をしていくことを考えると、いずれかのタイミングで博士課程への進学も視野に入れなければならないと感じています。上記の通り、修士課程の成績に問題がある私は、実務経験を評価してもらえるミッドキャリアのコースを探さねばならないですね。

    少し脱線しましたが、修士号の先に、博士課程の可能性もあるということを考えておいて損はないと思います。

    in reply to: 大学院留学前にやっておくべきことは? #4825
    Ippei Tsuruga
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    修士課程がはじまる前までに、文献リストなどはインターネットやメール照会で入手できると思います。英語の不利もあるので、前もって時間をかけて文献を先取りで読み込んでおくのはおすすめしたいことです。

    特に私は英語が苦手だったので、時間がたっぷりある時にゆっくり時間をかけて文献を読んでおくのは良いアイデアだったと思います。

    Ippei Tsuruga
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    おっしゃるとおりだと思います。国際機関ではアカデミアと実務が一体となっている感じです。理由はおそらく、高学歴の方が多いためでしょう。良くも悪くも、ヨーロッパ諸国では若者の失業率が極めて高く、そのために博士課程まで進む(進まざるを得ない)人も多いと聞きました。

    国際機関での就職は一般的に、最低でも修士号が条件です。当然、多くの人が博士号を持っています。博士号を持っている人は思考回路が研究に近くなるのも当たり前ですよね。

    様々な理由があって仕事と研究が密接に結びついているのだと思いますが、現実的な理由としては、博士課程を修了した若者の就職先として国際機関が位置付けられているのが大きいと思います。

    Ippei Tsuruga
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    私の場合は運が良く、大学院で先行した分野(貧困・社会保障)を仕事にできています。そのため、大学院で使った文献リストや資料(PPTなど)、自分が書いた論文なども仕事に活用することができています。

    たとえば、先日、世界銀行・IMFの社会保障へのアプローチへ異論を唱える文書をまとめろ、という指示を上司からもらいました。その時使ったのは、大学院の知っている先生の論文でした。

    自分の分野の先生方に学び、顔見知りになれるというのは大きいと思いますね。この業界は狭いですから、分野を限定すれば、知り合いだらけになります。しかも、開発学で有名な大学が多いイギリスで学べば、必然的にその道の第一人者から学ぶこととなります。

    なお、社会保障分野の場合だと、サセックス大学(IDS)とマーストリヒト関係者が私の周りにはかなり多いですね。

    Ippei Tsuruga
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    私はサセックス大学開発学研究所(IDS)しか経験していないので、マーストリヒト大学についての知識は人づてに聞いた内容です。

    以前、サセックス大学のKeetie Roelenという若手研究者とお話ししたことがありました。彼女はマーストリヒト大学でPhDを取得した卒業生で、現在は子供の貧困と社会保障の第一線で活躍しています。

    マーストリヒト大学は計量的なアプローチに重きを置いている点で、統計・計量経済のトレーニングを組み込んでいる点に特徴があるようです。

    一方、サセックス大学は学問体系にとらわれず、多角的なアプローチを売りとしていますので、計量分析のトレーニング要素は限定的です。

    両大学の開発学コースの大きな違いはそこにあるのではないでしょうか。

    Ippei Tsuruga
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    サセックス大学で学んだ経験しかないので、自分の体験からの返答となります。また、現状がどうなっているのかわからないので、現状を正確に反映していないかもしれませんがご了承ください。

    私がいた頃のサセックス大学は、ASEAN地域の研究をしている学者はとても少なかったです。イギリスの植民地支配の歴史から繋がりが強いバングラデシュやインドなどを研究している人はいましたが、ASEANはあまりいなかった印象です。

    私がいた2008/09年頃は、アジアの社会保障に関するプロジェクト(Social Protection in Asia)がサセックス大学(IDS)の中にあって、プロジェクトリーダーだったSarah Cookに師事したので運がよかったのかもしれません。

    ちなみに、その方は現在、イタリアにあるUNICEF Innocentiという研究所長です。子どもの貧困(Child Poverty)と社会保障(Social Protection)に関する研究をしている機関なので、分野に関心があれば参考になるかもしれません。

    Ippei Tsuruga
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    サセックス大学にKeetieRoelenという学者がいます。彼女は子どもの貧困(Child Poverty)の専門で、このトピックでは最も有名な学者の一人なのでは無いかと思います。まだ若いですし、今後も活躍されるでしょうね。

    また、社会保障(Social Protection)に関しては、同じくサセックス大学のStephen Devereauxという学者がいます。Keetieとともに、サセックス大学のCentre for Social Protectionの共同代表です。彼はキャリアも長く、Social Protectionの分野では最も有名な学者の一人です。ただ、ベースは南アフリカなので、講義のあるセメスターだけ大学に来るという感じだと思います。

    Ippei Tsuruga
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    私はサセックス大学開発学研究所(IDS)しか経験していないので、他大学と比較することは難しいです。ただ、社会保障の分野で言えば、サセックス大学のほかにも、オランダのマーストリヒト大学といった有名大学もあります。その場合も、私はマーストリヒト大学へ通ったわけではないので比較はできないのですが、IDSへ行って後悔したことはありません。

    もう8年も前の話ですが、1学期をかけて社会保障(Social Protection)を履修する機会がありました。そこで学んだことが、現在の仕事の基礎になっています。アカデミックの世界は、実務の5年先を行く。これは実に良い描写だと思います。本当にその通りだと感じる日々です。

    また、卒業生コミュニティの充実を図っていることもあり、卒業生のネットワークや一体感はIDSならではと思っています。他の大学がどのくらい結束が強いかわかりませんが、IDSの場合、IDS出身というアイデンティティを感じる人が多い気がします。

    in reply to: 国際協力・専門性の将来性、商社から転職 #4722
    Ippei Tsuruga
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    ③ 在職中に行うこと(今後3年間)

    (1)フランス語
    たしかに、フランス語は是非勉強されると良いかもしれませんね。フランス語ができれば・・と、ジュネーブに赴任してから何度も思いました。特に、本部がニューヨークでなく、ジュネーブにある国際機関の場合、フランス語が英語とほぼ同等のレベルで求められている気がします。私は着任後に語学コースを受講してフランス語の学習に勤めました。しかし、新しい仕事を覚えながら新しい語学を学ぶというのは難しく、仕事に集中するためにフランス語の学習を辞めた経緯があります。したがって、慣れ親しんだ現職の仕事をする傍ら、語学の勉強を進めるのはとても良いことだと思います。

    (2)統計の勉強

    統計の知識と実務的なスキルは、とても重要だと思います。大学院で計量分析を学ぶことができなかったこともあり、私は仕事をしながら法政大学の夜間大学院のコースで統計と計量経済学を受講した経験があります。まだまだ勉強中ですが、統計の勉強は早いうちに始めておいた方が良いと思います。学びに対するモチベーションが年齢とともに衰退してきますからね。

    (3)休日のボランティア

    ボランティアは良いかもしれませんね。国際協力団体はたくさんありますので自分の関心分野に近い団体が見つかれば、支援対象国への理解や分野の知識を得られ、大学院での学びにもプラスになると思います。

    (4)国際開発学会やJICA主催セミナー

    国際開発学会やJICAが主催するセミナーへ参加するというのも一案かもしれません。私は参加したことはありませんが、JICA職員や国内の開発援助関係者の議論を聞いたり知り合ったりするきっかけになると思います。

    (5)夜間大学院の活用

    大学院留学の科目選択にも関連しますが、日本国内の夜間大学院へ通うことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。たとえば、統計・計量経済学といった分析の素地はどこの大学へ行っても大きな差はないと聞きます。これらは知識というよりスキルの世界ですので、仕事の傍ら、夜間大学院へ2年通って修士号を取ってしまうのも一案かもしれません。その上で、大学院留学は障害・教育・社会保障といった開発課題に特化したコースを選択すると、大学院留学がより充実したものとなる気がします。なにより、日本国内の大学院は授業料が安いですから、オプションとしては良いかもしれません。

    in reply to: 消防士の国際協力と国際緊急援助隊 #4721
    Ippei Tsuruga
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    お返事が遅くなってしまいました。陰ながら応援しております。

    in reply to: 国際協力・専門性の将来性、商社から転職 #4720
    Ippei Tsuruga
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    ご相談いただきありがとうございます。答えやすいものから一つずつ回答させていただきたいと思います。少しお時間ください。

    ② 分野の伸びしろについて

    現在、ILO社会保障局というところに在籍しています。仕事の一つとして、障害と社会保障というテーマがあります。私自信、障害給付然り、障害者支援の分野では経験がありませんが、障害分野の専門家に意見を聞きながら仕事しているところです。したがって、残念ながら障害分野の将来性がどうなのか、という質問に関してはあまり知見がありません。

    たしかに、JICAは障害分野の支援をいろいろな国で行っています。案件数自体は少ないですが、力を入れている分野だと理解しています。ただ、その分野に特化したところで、将来的に仕事が確保できるか。それは何とも言えませんね。ビジネスの世界もそうだと思いますが、国際開発の世界は政治や社会の雰囲気に左右されることが多々あります。これは障害に限ったことではなく、どの分野にも流行り廃りはあります。

    それを踏まえて、どういった分野の専門性を高めるべきか。この質問に対する答えは十人いれば十通りあると思います。あくまで私個人の見解として捉えてください。個人的には自分への戒めも込めて、統計・計量経済・経済学を修士で学び、短期契約でも良いので計量分析の知識・スキルを磨くのが良いと思います。障害・教育・社会保障の分野の専門性というのは、仕事を通じて得られるものですが、分析手法やスキルというのは大学院でしか学ぶことが難しいと感じます。誤解を恐れずに言えば、定性的な分析(Qualitative)というのは誰でもできますが、定量的な分析(Quantitative)は誰もができるわけではありません。技術を持つという意味で後者をしっかり身に着けることが、キャリアを長い目で見たときにプラスに働くのではないでしょうか。

    その後、障害・教育・社会保障分野で職務経験を積んで、分野の専門性を高めたければ博士課程へ進むのも良いと思います。

    in reply to: 学術英語の学び方 #4698
    Ippei Tsuruga
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    もちろん大学院の先生に助言いただくことになりますし、コースごとの文献リストもあります。たとえば、サセックス大学大学院の1科目の文献リストをご覧ください。

    http://readinglists.ids.ac.uk/list.php?list_id=19

    ただ、開発学を履修する場合は特定の国を選んで書くこととなると思いますので、その際には自分で文献をゼロから探すことになります。今はインターネットが発達しているので、図書館で文献を探す人は少ないかもしれませんね。

    in reply to: 学術英語の学び方 #4696
    Ippei Tsuruga
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    ありがとうございます。学部在籍時にニュージーランドに半年間語学留学したことがあり、そこでアカデミックライティングのコースも履修しました。また、イギリスの大学院へ入学する前に大学側が開講する英語コースでも3か月学びました。英語が全くできなかったので、私の場合はかなり遠回りしました。ただ、日本の大学を卒業してすぐにイギリスの大学院へ進学した知人も多いので個人差があると思います。また、私の場合は大学卒業後すぐに進学したので、実務経験はありませんでした。実務経験がエッセイに生きたかどうかという質問には応えられないのですが、JICAや開発援助機関で数年勤務していた方などは要領よくエッセイを書いていましたね。

    in reply to: 学術英語の学び方 #4666
    Ippei Tsuruga
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    ありがとうございます。学部時代にカンボジアを支援しているNGOでボランティアをしていたこともあり、もともとカンボジアに対する関心と予備知識がありました。大学院のコースは1~2週間で5,000単語(日本語換算20,000文字)を書き上げなければならないので、自分が予備知識を持っている国について書くことが最も効率が良いという事情もあります。

    in reply to: 国際協力には日本の大学院か海外の大学院か #4323
    Ippei Tsuruga
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    ご質問ありがとうございます。

    私は日本の大学院で学んだことがないので、イギリスの大学院で学んだ経験からの回答になります。まずイギリスで学んでよかった点は、英語で仕事をするための「助走」になったことです。私は日本生まれ日本育ちで英語はとても苦手でしたが、一年間必死で勉強についていった結果、英語で読み書きをする力は伸びたと思います。また、就職活動をする際の視野が、世界に広がります。クラスメイトも世界中から集まった若者ばかりだったので、自然と就職活動の話は世界中どこでも、という感じでした。

    私の時は日本国内の大学はあまりありませんでしたが、日本の大学院でも開発経済学に強いところが最近は出てきています。世界銀行や国連出身の先生が国内の大学院で教えているケースも多く、コネを使って国際機関のインターンに推薦してくれたりといったケースもあるようです。

    海外の大学院の費用面ですが、アメリカの大学は高いですよね。博士課程なら大学から奨学金も出るでしょうが、修士課程は他の奨学金を探してから行く人が多いようです。イギリスも日本の私立大学並みに高いですよね。他にヨーロッパで開発学で有名なのは、オランダでしょうか。学費は英米よりは安いはずです。また、少しマイナーですが、スイスのジュネーブにあるThe Graduate Instituteという大学院は学費も安く学生寮も完備されていて、割とお得なのかもしれません。

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