#4720
Ippei Tsuruga
Keymaster

ご相談いただきありがとうございます。答えやすいものから一つずつ回答させていただきたいと思います。少しお時間ください。

② 分野の伸びしろについて

現在、ILO社会保障局というところに在籍しています。仕事の一つとして、障害と社会保障というテーマがあります。私自信、障害給付然り、障害者支援の分野では経験がありませんが、障害分野の専門家に意見を聞きながら仕事しているところです。したがって、残念ながら障害分野の将来性がどうなのか、という質問に関してはあまり知見がありません。

たしかに、JICAは障害分野の支援をいろいろな国で行っています。案件数自体は少ないですが、力を入れている分野だと理解しています。ただ、その分野に特化したところで、将来的に仕事が確保できるか。それは何とも言えませんね。ビジネスの世界もそうだと思いますが、国際開発の世界は政治や社会の雰囲気に左右されることが多々あります。これは障害に限ったことではなく、どの分野にも流行り廃りはあります。

それを踏まえて、どういった分野の専門性を高めるべきか。この質問に対する答えは十人いれば十通りあると思います。あくまで私個人の見解として捉えてください。個人的には自分への戒めも込めて、統計・計量経済・経済学を修士で学び、短期契約でも良いので計量分析の知識・スキルを磨くのが良いと思います。障害・教育・社会保障の分野の専門性というのは、仕事を通じて得られるものですが、分析手法やスキルというのは大学院でしか学ぶことが難しいと感じます。誤解を恐れずに言えば、定性的な分析(Qualitative)というのは誰でもできますが、定量的な分析(Quantitative)は誰もができるわけではありません。技術を持つという意味で後者をしっかり身に着けることが、キャリアを長い目で見たときにプラスに働くのではないでしょうか。

その後、障害・教育・社会保障分野で職務経験を積んで、分野の専門性を高めたければ博士課程へ進むのも良いと思います。