ご投稿ありがとうございます。まず、JICAで勤務されたいというのであれば、大きく2つのキャリアがあると思います。一つ目は、新卒・中途採用で職員として勤務すること。これはキャリア官僚のようなイメージで、マネージャー(ジェネラリスト)としてODA戦略・支援戦略・案件形成に携わるイメージです。二つ目は、JICA職員が作成した支援戦略に基づいて事業を実施する専門家(スペシャリスト)としてのキャリアです。どこの大学院へ行けば、ジェネラリスト・スペシャリストになることができるという話ではありませんが、大まかなイメージを持っておくと大学院での勉強が将来へ結びつくのではないかと思います。
日本と英国の大学院の大きな違いは1年で修了できるか2年で終了できるかの違いです。春入学の日本の大学院で2年過ごすよりも秋入学の英国の大学院を1年で卒業したほうが半年早く卒業できます。しかし、JICAの新卒採用のキャリアを考えているのであれば、いずれの場合も同じ年の春採用となるはずです。私の場合は英国の大学院を秋に卒業したため、国際機関で半年インターンをした後、JICAに新卒採用で入社しました。
私はサセックス大学開発学研究所で大学院生活を過ごしました。その後10年の職歴を経た今もう一度修士課程で勉強できるとすれば、計量経済学や統計学を応用した分析技術を身に着けられるコースを選びます。どの分野を大学院で学ぶべきかは専攻分野にもよります。一概には言えません。しかし、開発協力の実務に携わる中で感じるのは、勉強に100%の時間を費やすことができる大学院時代にしか習得できないのは、こうした数字を使った技術を身に着けることです。実務というのは仕事をする中で身についていく経験がほとんどです。しかし、計量経済・統計というのは仕事を通じては身に付きません。数字を使った仕事に携わるための基礎技能がなければそうした仕事にも携わることができないためです。
少し話がそれましたね。