ご投稿ありがとうございます。私がJICAに在籍していたのは2016年3月までなので、状況は多少変わっているかもしれません。ここでは在籍時の状況を基に回答させていただきます。
ご理解いただいている通り、JICA職員としての仕事は専門家ではなく、組織戦略を立て、専門家チームを操り、事業を実施することです。それ故、テレビ局で言うところの「プロデューサー」としばしば例えられています。弁護士資格を持っている職員を知らないため一概には言えませんが、資格を持っていること自体が強みとなることは少ないと思います。
中途採用の場合、少なくとも最初の部署は専門性を重視した人事配置となるはずです。その次の部署では、在外事務所の関連分野の担当となることが多いようです。海外駐在を終えて帰国するとおそらく7年目くらいになると思いますが、年齢によっては主任調査役・企画役といった管理職見習いポストとなるかもしれません。その場合、専門に直結する部署に空きがあることは稀なので、多くの職員は専門性に微妙に重なる部署か、間接部門への配属となるか、駐在していた国の地域担当部署への配属となるか、いずれの場合もジェネラリストの要素は高くなると思います。
離職率を上げたくないはずなので、基本的には希望する部署を優先的に考慮してくれるとは思います。しかし、大きな組織なので人事ポストの玉突きに左右されることは多く、結果的に離職する職員も多いです。
エキスパート職は表向きは専門家キャリア(管理職となることを想定しない)としてデザインされていますが、専門分野以外の管理職ポストについてマネジメントの仕事をしている方も多いです。専門分野がいかせる課題部の管理職ポストは少ないためです。
個人的な見解ですが、40歳になったときに、エキスパートかジェネラリストか選べと言われても、国際的に通用するエキスパートにはなれないと考えています。これは在籍時にも意見しましたが、改善されているかわかりません。