投稿頂きありがとうございます。コミュニケーション分野については専門ではありませんが、印象でお答えします。
本部で目にする広報担当の方は、たしかにネイティブのイギリス人などが多い印象を持っています。自分でカメラの前に立ってリポートしたり、ビデオにナレーションを入れたり。あくまで想像の域を出ませんが、インフォグラフィックスを作成したり、データを見せるのが得意だったり、広報企画が得意だったり。コミュニケーション分野でも活躍できる分野はたくさんあるような気がします。英語が流ちょうに話せることが大前提になるようなポストで、ネイティブと競合するような仕事を選ぶと難しいかもしれませんね。
ILOで働いていて感じるのは、マネジメントやコーディネーション(調整)能力に関しては、日本人の右に出る者はいないです。おそらく、教育から来る特性だと思います。欧州出身で国際機関で働きたい人の多くは、特定の専門分野でPhDを持っていて、その分野の専門性をいかした仕事をしたいと考えているようです。そういった職場の場合は同様のマインドセットの職員が評価されるので、必然的にPhD持ちで専門分野の知識重視の仕事スタイルになっています。一方、日本のようにチームで物事を企画して、ひとりひとりが歯車になって大きな物事を着実に動かしていく。そういった仕事スタイルの職場に当たれば、日本人は活躍できると思います。
ここでの問題は国際機関が西洋の機関だということです。誤解を恐れずに言えば、国際機関では上辺だけは「多様性」を重視すると言っていますが、実質的には西洋文化が濃いです(そもそも英語やフランス語が公用語になっている時点で西洋寄りですよね)。したがって、上司や多くの同僚はチームで働く日本の企業文化ではなく、個人の力でゴリゴリ仕事を進めていくスタイルの人が多い気がします。こういう環境だと、先ほどの申し上げたような、日本人の生まれながらに持った特性はいかしにくいですよね。