コンサルタントとJICAの関係においては、もちろんJICAが発注者として監督する立場にあります。一方、外務省とJICAの関係においては、法的には監督官庁が外務省です。ただ、掛けている人員の数はもちろん、開発途上国の知見や実務に関してはJICAに蓄積があると思います。
例えば技術協力プロジェクトの採択プロセスを見るとわかりやすいと思います。先方政府から要請が届くと、現地ODAタスクフォース(大使館、JICA)、JICA本部、外務省、関係省庁で審査します。それぞれの立場で案件審査するような仕組みですね。
外務省側では外交や政治の観点から案件を審査し、JICAでは開発や実施の観点から審査するといった分担となっていると理解すればよいのではないでしょうか。主従関係というよりは、実務的には対等な関係で議論できる良い環境が整っているような気がします。
なお、有償資金協力については、外務省ではなく財務省が担当省庁となり、技術協力については分野に応じて他省庁(教育・厚労省・農水省・・・)が案件の審査過程に関わってきます。
参考までに技術協力の実施までの流れを解説したURLを以下で紹介しますね。「相手国からの要請に基づき、外務省、関係各省、JICAが採択可否を検討します。採択された案件は日本政府から相手国政府へ通報され、協力に関する口上書を交換します。」という記載をご覧いただくとわかるように、外務省とJICA以外に「関係各省」という表現がありますね。
◆技術協力(協力形態と事業運営)
https://www.jica.go.jp/about/report/2016/ku57pq00001uuuy5-att/J_47.pdf