#7273
Ippei Tsuruga
Keymaster

牛嶋さん、山本さん、ご投稿ありがとうございます。私は民間経験・人道支援・WFPでの勤務経験がないので、あまり直接的な助言をする立場にはなさそうです。ご経験されているように、日本での業務経験を積んだマネージャーの方々が国連で活躍できる可能性は大いにあると感じます。国連への入口の敷居をどう跨ぐかが課題ですね。

たしかに、全世界のロジスティックスを担うWFPでは、類似の経歴を有する候補者がいた場合は語学に堪能な方を優先するでしょう。これはどの国際機関でも同じですが、人道支援機関はより顕著なのかもしれません。一方、私の知人にもいますが、英語圏のポストを獲得してから他言語の習得を試みている人もいます。

ご指摘の通り、JPOでスタートするのが日本人には良いかもしれません。JPO合格のための業務経験については、2年間の業務経験で合格している人もいますし、様々です。ただ、こうした場合でも既に国連でインターンやコンサルタントとして業務をしているパターンが多いかもしれません。国連の人事全般に言えることだと思いますが、組織内での業務経験がモノを言います。日本の大企業では業務マニュアル・新人研修・引継ぎが当たり前ですが、国連ではほとんどなく、前任が何か月も前に離任して誰もオペレーションの引継ぎがない中で業務を開始することも多いですからね。

また、一般公募への応募も試みても良いかもしれません。ただ、「International ExperienceをXX年」という形で書類選考で足切りが行われることも多いと思います。その場合、残念ながら日本国内での業務経験は「International」と見做されないことがほとんどだと思います。言語要件(複数言語話者有利)についても2か国語以上という応募要件も多いです(※)。

最近、JICAは民間企業での経験を重宝しているようにも感じます。中途採用もありですが、より敷居の低い企画調査員のポストも検討してみてはどうでしょうか。円借款・金融・民間連携などのキーワードで開発途上国のポストに入れれば、一歩前進できるように感じます。また、JICAはWFPなどの人道機関のように、家族を帯同できない地域でオペレーションを行うことは少ないです。第一歩として、JICAの企画調査員も良いのではないかと思いました。家族を養うだけの福利厚生・給与とも申し分ないはずです。

https://www.jica.go.jp/recruit/volunteer/index.html

http://partner.jica.go.jp/resource/1456294805000/shigoto/type05.html


※ちなみに、これについては個人的に思うところがあります。国連は確実に西洋人有利の人事となっています。欧米での業務経験がInternational Experienceで、家族・親戚に複数言語を話す人がいるパターンもとても多いですからね。JICAでは仏語圏・スペイン語圏・英語圏のオペレーションに携わる人材をある程度分けて採用していますから、国連のように一人が何か国語も話す必要がありません。こうした状況から見ても、国連キャリアは東洋人の私たちにはより厳しいものとなっている気がします。

国際協力キャリア一問一答 | Ippei Tsuruga

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