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ヒトラー政権が崩壊し、ドイツが敗戦して以降、政権側で戦った兵士たちは一般社会へ戻った。普通に生活をしている人たちの中には虐殺に携わった者も当然いた。子供の世代が親の世代を裁く。親の世代は当時の状況ではナチス側に立つより仕方なかったと言う。一般人が正義の道から外れ、人が殺されていった事実。そしてまた、一般人に戻って日常生活を営んでいた事実。組織の指示に従い、従わなければ自分の身に危険が及ぶ。そういう状況下で、保身のために組織に従う。たとえそれが許されないことであっても、他人より自分の方が可愛いのだ。戦争という極限の状況を描いた作品だが、現代の一般社会にも共通するところがある。組織の指示に従うことが前提となっていて、自分を見失っていないか。何が正義なのか、問い続けているだろうか。
邦題「顔のないヒトラーたち」。戦後、西ドイツの多くの人が戦争の記憶、犯した罪を忘れ去ろうとしていた。そんな時、一人のジャーナリストがアウシュヴィッツ強制収容所の元親衛隊員が教師をしていることを突き止める。若き検事ヨハンは圧力や苦悩を抱えながら、ナチスがどのような罪を犯したのかを明らかにしていく。
ジュリオ・リッチャレッリ
アレクサンダー・フェーリング, フリーデリーケ・ベヒト, アンドレ・シマンスキ