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江戸時代の1721年に石炭の採掘がはじまり、1889年に三井財閥に払い下げられ、1997年3月30日の閉山まで日本の高度経済成長を支えてきた三井三池炭鉱。1950-60年代のエネルギー革命によって石炭から石油への需要転換が起こり、割高となった国内炭の需要が減った。それによって指名解雇や労働争議の末、他の多くの炭鉱と同様に閉山となった。現代において、石油から再生可能エネルギーへのエネルギー転換が国際機関や西欧諸国を中心に注目を浴びているが、雇用問題に関しては全く新しい課題ではない。半世紀前から人類が経験してきた事業の縮小に伴う解雇と、労働者への所直保障と再就職支援が、国やハローワークの役割となった。三井三池炭鉱を扱ったドキュメンタリー作品内では労災事例が大きく取り上げられ、再就職支援だけでなく労災補償に関する学びもある作品だった。
1997年3月30日に歴史の幕を閉じた日本最大規模の三池炭鉱。その歴史を、「負の遺産」と言う人もいる。囚人労働、強制連行、三池争議、炭じん爆発事故・・・。炭鉱の歴史そのものが時代から消し去られようとしていた。そんな状況に不満を覚えた熊谷博子監督が三池炭鉱の歴史に真正面から向き合い撮り上げたドキュメンタリー。7年の歳月をかけ完成させた労作。 三池炭鉱の歴史に、初めて向き合い、様々な立場の100人近い方へのインタビュー、30あまりの炭鉱関連施設を撮影し、7年がかりで完成させた。
熊谷博子
中里雅子
