説明
本書は劇薬である。「援助は腐敗を助長させ、人々を貧困に陥れる。アフリカが貧しいのはまさに援助のせいだ」と言い切る著者は、ザンビア出身、ハーバードで修士号、オックスフォードで博士号をとり、世銀に2年、ゴールドマン・サックスで8年勤めた経験を持つ、女性エコノミスト。「各国や国際機関がアフリカへの援助を、5年以内にやめる」というショック療法を提案するなど、「アンチ・ボノ(U2)」としてマスコミで一躍注目を浴びる存在となり、2009年5月発売のTIME誌では「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。筆者の説を肯定するかどうかはともかく、手っ取り早く欧米での援助の論争の内容を知りたいむきにはお勧めできる知的読み物。また近年アフリカでますます存在感を増してきた中国にもかなりのページを割いている。
著者略歴
ダンビサ・モヨ
ザンビアの首都ルサカに生まれ、ザンビアで教育を受ける。1990年、大統領に対するクーデター未遂により大学が閉鎖されたのを機に渡米。世界銀行に2年間勤務した後、ハーバード大学で修士号、オックスフォード大学で経済学博士号を取得。その後ゴールドマン・サックスで8年間勤務し、「グローバル・エコノミスト & ストラテジスト」として活躍。本書刊行後はTime、Financial Times等数多くの活字メディアにインタビューなどで登場するだけでなく、テレビ出演や講演もこなし、2009年5月のTimeで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。
小浜裕久
1949年川崎市に生まれる。1972年慶應義塾大学経済学部卒業。1974年同大学院経済学研究科修士課程修了。1974~87年国際開発センター研究員、主任研究員。現在、静岡県立大学国際関係学部教授(開発経済学、国際経済学)。
登録情報
単行本: 258ページ
出版社: 東洋経済新報社
言語: 日本語
ISBN-10: 4492211888
ISBN-13: 978-4492211885
発売日: 2010/7/30