説明
世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。
著者略歴
加藤久典
1964年生まれ。中央大学総合政策学部教授。専門は宗教社会人類学、東南アジア地域研究、比較文明学。1990年から2009年までアメリカ、インドネシア、オーストラリア、フィリピンなどで暮らす。シドニー大学人文学部大学院にて修士号、博士号(Ph.D)を取得。著作に「Agama dan Peradaban」(『宗教と文明』、PT Dian Rakyat、2002年)、 Islam di Mata Orang Jepang(『日本人からみたイスラーム』、Buku Kompas、2014年)、The Clash of Ijtihad(共編著、ISPCK、2011年)、『文明の未来』(共著、東海大学出版部、2014年)、『アジア的融和共生思想の可能性』(共著)、中央大学出版部、2019年)などがある。
登録情報
出版社: 筑摩書房
発売日: 2021/8/10