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ジャカルタ・メソッド-反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦

¥3,762

この本は1960年代のインドネシア大虐殺に視点をあてているが、現代まで続く状況も垣間見れる。2025年8月のインドネシア暴動後、インドネシアの知人もこの本を手に取った。

1965年10月1日未明、インドネシアで6人の陸軍将軍が殺害される事件が発生した。軍部はこれを共産党(PKI)によるクーデター未遂と断定し、スハルト少将が実権を掌握した。しかし、事件の真相は不明確で、スハルト自身が関与していた可能性も指摘されている。

事件後、スハルトは周到なプロパガンダ工作を展開した。軍は、PKIが将軍たちを拷問し、女性党員が性的暴行を加えたという虚偽の物語を流布。アメリカ政府はこれを積極的に支援し、移動通信装置を提供し、「ボイス・オブ・アメリカ」やBBCを通じて軍のプロパガンダを拡散した。さらに、CIA職員は数千人の共産主義者の名簿を軍に提供し、組織的な「絶滅作戦」が開始された。

当時、PKIは世界第3位の規模を誇る共産党で、関連組織を含めると約2000万人の会員を擁していた。彼らは非暴力路線を貫き、農民や労働者への支援活動を通じて支持を拡大していた。しかし虐殺は全国に広がり、軍部とイスラム団体が中心となって、1965年末から66年にかけて100万人以上が殺害された。犠牲者は真夜中に連行され、家族にも行方が知らされず「消えた」。バリ島では人口の5%にあたる8万人が殺された。

アメリカ政府は虐殺を称賛し、ジョンソン政権は事態を「20世紀における最も重要な出来事の一つ」と評価した。西側メディアの多くも軍の説明をそのまま報じ、虐殺を「自然発生的な暴力」として描いた。スハルト政権は32年間続き、インドネシアはアメリカの忠実な同盟国となった。この「ジャカルタ・メソッド」は、その後ラテンアメリカをはじめ世界23カ国で反共「絶滅」プログラムのモデルとなった。

1965年10月1日の事件後、スハルト率いる軍部は、表面上は「自然発生的な民衆の怒り」を装いながら、実際には組織的に暴力を扇動し、一般市民を動員して大量虐殺を実行させた。

軍による直接的な扇動:アチェ州では、アメリカで訓練を受けた軍司令官が州内を巡回し、急遽集められた群衆に向かって「PKIは異教徒だ。やつらを根こそぎ殲滅する!村にいるPKI党員を見つけても始末しないやつは、俺たちが懲らしめてやる!」と演説した。これは脅迫を伴う動員であり、市民に選択の余地を与えないものだった。

武器の外部供給:バリ島では、殺害に使われたマチェテという大きな刀が突然現れた。これはバリ島固有の道具ではなく、「何者かがよその島からこの重い武器を運び込んだ」と住民たちは不審に感じていた。つまり、「自然発生的な暴動」に見せかけるため、事前に武器が計画的に配布されていたのである。

強制的な市民の動員:軍は様々な手段で一般市民を殺戮に参加させた。「強制徴募された市民、共産主義者と疑われて脅迫された市民、政治犯、浮浪者」までもが動員された。また、イスラム団体の青年組織も参加したが、その創設者は「共産主義者にどう対処するかを学ぶために、1964年からヒトラーの『わが闘争』を研究した」と語っている。

プロパガンダによる憎悪の煽動:軍が発行する新聞には、木を斧で切り倒す戯画が掲載され、「彼らを根こそぎ皆殺しにせよ」という説明が添えられた。さらに軍は、PKIの女性党員が将軍たちを性的に暴行したという虚偽の物語を流布し、人々の恐怖と憎悪を煽った。西側メディア(ボイス・オブ・アメリカ、BBC、ラジオ・オーストラリア)もこのプロパガンダを拡散し、「権威ある国際的報道機関が同じことを言っている」ことで、軍の主張に信憑性を与えた。

「自然発生」という虚構:西側の報道機関の多くは、この暴力を「自然発生的に暴力が爆発した」「人々がたけり狂った」と報じた。しかしこれは、軍による組織的な計画、武器の配布、市民の強制動員、そしてプロパガンダによる憎悪の煽動という、周到に準備された作戦だった。

こうした平和的な状況から突然の暴徒化が生み出される現象(外部から供給される武器、特定集団への憎悪の煽動、そして権力側による弾圧の正当化)は、2025年8月に起きたインドネシア全土における暴徒化にも共通点がある。

カテゴリー: 和書
  • 説明

説明

冷戦下、東南アジアおよび南米諸国で続発した共産主義者大虐殺。その背後にはCIAの作戦があった──。最新資料と12か国での証言収集によって歴史の闇に迫る、衝撃のドキュメント。

著者略歴

ヴィンセント・ベヴィンス

ワシントン・ポスト紙の東南アジア特派員として、地域全体を取材し、特に1965年の虐殺の遺産に注目して報道した。それ以前は、ロサンゼルス・タイムズ紙のブラジル特派員として、南米の周辺地域も取材していた。さらにその前は、ロンドンでフィナンシャル・タイムズ紙に勤務していた。他にも、ニューヨーク・タイムズ、アトランティック、エコノミスト、ガーディアン、フォーリン・ポリシー、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス、フォーリャ・デ・サンパウロ、ニュー・リパブリック、ザ・ニュー・インクワイアリー、ジ・オウル、ザ・バフラー、ニューヨーク・マガジンなど、数多くの出版物に寄稿している。

登録情報

フォーマット: Kindle版

出版社: 河出書房新社

販売: Amazon Services International, Inc.

ASIN: B0B82FZN9J

発売日: 2020/5/19

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