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この作品の太宰治がその通りの人間であったなら、太宰治は弱く、優しく、お人好しで、責任感の強い優柔不断な人間。周りの人間は手を差し伸べたくなり、大切な人を泣かせ続ける。一番のよき理解者は、彼の才能を認め、手放しに応援する。それがたとえ家庭や自分を壊すものだとしても、太宰治を応援する。誰も幸せにならない人生を歩んでいることを太宰治本人も理解しているが、自分の使命は小説を書くことだと考え、弱さと引き換えに没落していく。人間失格を自覚しつつ、最後までやり遂げる責任感の矛盾が、太宰治の姿を映し出している。
天才作家・太宰治。身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す-。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが。
蜷川実花
小栗旬, 成田凌, 二階堂ふみ
ちょっと思い出しただけ
