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2013年の作品を2024年に見ると、こうも感じ方が変わるのかと、異様な錯覚に陥る。作中のZはゾンビの頭文字だが、現代ではウクライナへ侵攻したロシア軍の略称として知られる。感染症が世界に広がり、ワクチンが世界を救う展開は、コロナウイルスの蔓延を予期していたかのような構成。この作品に描かれた世界がコロナ渦の世界だった。作中では警察官が万引きする場面が描かれたが、実際の世界でも公的機関は頼りにならず、全ての人が自己防衛の方法を探っていた。作品の最後、ワクチンの開発が成功し、感染者へ向けて「地獄に落ちろ」と叫びながら火炎放射を浴びせる場面が印象的だった。コロナ渦でワクチンの開発を支えたのは、アメリカで大量に発生した感染者。それによって治験が可能となり、ワクチン開発が進んだ。その犠牲の上に、アメリカが、世界が今生き延びている。
邦題「ワールド・ウォーZ」。その日、ジェリー（ブラッド・ピット）と妻、２人の娘を載せた車は渋滞にはまっていた。一向に動かない車列に、これがいつもの交通渋滞でないことに気付くが、次の瞬間、背後から猛スピードで暴走するトラックが迫ってくる。必死で家族を守り、その場から逃げだしたジェリー。全世界では爆発的に拡大する“謎のウイルス”によって感染者は増加し続け、大混乱に陥っていた。元国連捜査官として世界各国を飛び回ったジェリーに事態を収束させるべく任務が下る。怯える家族のそばにいたいという思いと、世界を救わなければならないという使命の狭間で、ジェリーは究極の選択を迫られる。感染の速度は加速する一方で、人類に残された時間はわずかだった。
森谷司郎
高倉健, 三浦友和, 森繁久彌, 吉永小百合, 大滝秀治, 大谷直子
後藤新平日本の羅針盤となった男
