コートジボワールの首都アビジャン港穀物バース建設へ円借款109億円供与へ
8月26日、TICAD VIでナイロビを訪問していた安倍首相とコートジボワールのウワタラ大統領が首脳会談を実施。
安倍首相から、アビジャン港穀物バース建設へ円借款108.69億円を供与する方針が表明された。
また、両首脳は、コートジボワールへの日本企業誘致へ向けて、二国間投資協定の交渉開始を宣言した。
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8月26日、TICAD VIでナイロビを訪問していた安倍首相とコートジボワールのウワタラ大統領が首脳会談を実施。
安倍首相から、アビジャン港穀物バース建設へ円借款108.69億円を供与する方針が表明された。
また、両首脳は、コートジボワールへの日本企業誘致へ向けて、二国間投資協定の交渉開始を宣言した。
8月27日、TICAD VIでナイロビを訪問していた安倍首相とマダガスカルのラジャオナリマンピアニナ大統領が首脳会談を実施。
安倍首相からがトアマシナ港拡張計画へ円借款452億円供与する方針を表明した。同計画では、質の高いインフラ整備を目的に、日本企業の高い技術を活用することが期待されている。
このほかラジャオナリマンピアニナ大統領からは、日本企業による大規模投資に感謝の意が示され、同国に対する日本企業の更なる投資拡大へ向けて支援が約束された。
タイ政府が低所得の高齢者向けに社会保障給付金と補助金を追加給付を実施する。給付対象となるのは、年収5万バーツ(約15万円)以下の60歳以上の高齢者。給付方法はタイ政府が導入を進める電子決済システム「ナショナルeペイメント(The National e-Payment)」を通じて行われる。
タイ政府は既に年収10万バーツ以下の18歳以上の国民を対象にナショナルeペイメントシステムへの登録を実施しており、約800万人が登録済み。登録者は政府による社会保障給付、補助金、公共交通機関の無料措置などを受けることができる。
タイ財務省の推計によれば、年収10万バーツ以下で生計を立てる国民は約2,000万人おり、政府の貧困層向け社会保障スキームに参加することができる。
現在、全ての高齢者(60歳以上)が何らかの給付金を受けることができる。60代は月600バーツ、70代は700バーツ、80代は800バーツ、90歳以上は1,000バーツを受け取ることができる。
こうした高齢者向けの社会保障給付予算は年間600億バーツで、2024年までに900億バーツに達する見込み。
また、タイ政府は9月9日付けで、新生児8.5万人を対象に400バーツの補助金を新たにスタートする。
8月27日、TICAD VIでナイロビを訪問していた安倍首相とガーナのジョン・ドラマニ・マハマ大統領が首脳会談を実施。
会談の中で安倍首相とマハマ大統領は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成へ向けた取り組みの重要性を確認。投資協定の早期妥結と円借款「東部回廊整備計画」の早期実現へ向けた見解も共有した。
日本のUHCに関する支援については、ケニアで円借款による支援を実施しており、セネガルに対する支援策も発表されている。
ガーナについては、日本は古くから野口医学研究所を通じて保険医療分野の協力を実施しており、過去のアセットを活用したUHC支援が今後の方向性となると思われる。
参照記事:日・ガーナ首脳会談(外務省)
8月に公開した記事の中で、最もアクセスの多かった記事を紹介します。まだ、読んでいない記事があれば、この機会に是非「一気読み」してください!
今回は、経済成長著しいミャンマーの貧困分析。軍事政権が情報統制を行っていた影響から、ミャンマーについてはあまり多くのデータやレポートが公開されていない。今回は限られた公開データの中で可能な範囲で分析を行うことを目標とする。
米国東海岸のサードウェイブコーヒーで、 Macbookを見つめるミレニアル世代の若者たち。軒先の「Certified B」のステッカーを背景に 、Skypeでつながっている先はインド・コルカタ。パタゴニアのロゴが付いたオーガニック・コットンのジャケットをラフに羽織り、Ben&Jerry’sのアイスクリームを頬張りつつも、熱心に打ち合わせをする彼らは、「稼げる」仕事より、「社会を変える」仕事に熱中している米国トップスクールのMBA生です。
Amazonが自社専用の貨物機を導入 「Amazonがついに自社専用の貨物機を導入して運用を開始」というニュースを目にしました。同社はすでに「自社専用の輸送機20機のリース契約を結んだ」様子。
ザンビアで唯一の世界遺産、ビクトリアフォールズの東側に広がるエリアはムクニチーフダム(Mukuni Chiefdom)と呼ばれ、広大な丘陵地帯に幾つもの小さな集落が点在して成り立っている、ザンビアの典型的な村である。
開発途上国の援助を生業としていると、否が応でも世界中のプロフェッショナルと仕事をともにすることとなる。その中で日々感じることの一つとして、西洋のYesと日本のYesはずいぶん異なるということがある。
JICAがラゴス州の鉄道建設に協力する。事業規模は10億ドル(約1,000億円)と伝えられている。事業名は、「ナイジェリア国ラゴス都市鉄道整備事業(Lagos Urban Railway Development Project in the Federal Republic of Nigeria)」。昨年9月にJICAが公示していた準備調査のことと見られる。同準備調査の業務指示書によれば、有償資金協力(円借款)による事業実施を見込んでいるようだ。
アジアの社会保障の課題は何か?私なら「中間層の罠」と答えるだろう。貧困を脱出するための制度整備が進む一方、頑張って貧困ラインを超えた人々に対するサポートが極めて少ない現状がある。
カンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)の会長は月曜日のワークショップで、カンボジア国内のマイクロファイナンス機関(MFI)が抱える延滞債務について懸念があることを明かした。
日本の保育園では、近年待機児童が問題になっているが、マラウイの村の保育園(ナーサリースクール)はどんな問題を抱えているのか?今回は政府やNGOの援助が多く入っているプライマリースクールやセカンダリースクールではなく、あえて援助の中心となっていない幼少教育の保育園を取り上げたい。
先週金曜日に開催された労働組合の合同集会で、縫製工の推定生活給が176ドルであるとの結論に達した。プノンペンポスト紙が報じた。
ベトナムの海外直接投資(FDI)が県庁。過去8ヶ月の投資総額が、144億ドルに達した。前年比8%の上昇となる。
計画省によれば、新規事業が1,619案件、97.9億ドルで、前年比24.3%増。
韓国の投資額が引き続き最大で、FDI総額の33.4%を占めている。日本は10%で、シンガポールの12%に続く。
外部リンク
日本政府がセネガルのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を後押しする。8月27日、TICAD VIでナイロビを訪問していた安倍首相とセネガルのサル大統領が首脳会談を行い、安倍首相からUHCの推進へ向けて84億円の円借款供与が約束された。
これが実現すれば、日本政府によるアフリカにおけるUHC借款は、ケニアに続いて2例目。ケニアの借款金額は40億円だったことから、セネガルで実現すれば約2倍の供与額となる。
アフリカにおけるインフラ整備事業以外への円借款活用は珍しく、こうした社会セクターへの大規模な支援拡大を今後ますます期待したい。
今後JICAが調査・設計を行い、実施を担う見込み。
参照元:日・セネガル首脳会談(外務省)
ミャンマー西部の仏教徒とイスラム教徒少数民族「ロヒンギャ」の対立が続いている問題を受け、ミャンマー政府は特別諮問委員会を設置。
コフィ・アナン前国連事務総長を委員長に任命。委員会は9名の委員から成り、外国人は3名。
現地報道がラゴス州政府の話として伝えたところによると、JICAがラゴス州の鉄道建設に協力する。事業規模は10億ドル(約1,000億円)と伝えられている。
事業名は、「ナイジェリア国ラゴス都市鉄道整備事業(Lagos Urban Railway Development Project in the Federal Republic of Nigeria)」。昨年9月にJICAが公示していた準備調査のことと見られる。同準備調査の業務指示書によれば、有償資金協力(円借款)による事業実施を見込んでいるようだ。
ナイジェリアでは、JICAの知名度は極めて低い。実際に現地報道を見ていただくとわかるが、民間企業としてJICAが紹介されているほど、あまり知られた存在ではない。
欧米ドナー諸国にとってナイジェリアは、援助機関職員の出世コースとして考えられるほど、特別な扱いをしている国。英語圏でかつ地理的にも近いナイジェリアは、アフリカの中でも欧米とのつながりが強い国といえる。
このような欧米ドナー有利の環境下において、日本の援助機関であるJICAがナイジェリアで大型プロジェクトを展開することはこれまであまりなかった。それだけに、今回の大型案件実施の報道は、歴史的快挙と言うにふさわしいかもしれない。
アフリカ最大の経済都市ラゴス。その中心で日本のモノレール技術を使った新しい都市交通網が整備される日は近い。
ミャンマーの経済・社会・貧困状況をエクセルで簡単に分析してみた
今回は、経済成長著しいミャンマーの貧困分析。開発援助に携わる実務家にとっては、一度はやったことがある作業かもしれない。最近では、JICA職員にも担当国の経済・社会・貧困状況を分析し、エビデンスに基づいた援助戦略の検討と立案が求められている。
軍事政権が情報統制を行っていた影響から、ミャンマーについてはあまり多くのデータやレポートが公開されていない。今回は限られた公開データの中で可能な範囲で分析を行うことを目標とする。
なお、貧困分析で用いられる基本的な知識については、「貧困の定義と計測方法」で簡単にまとめているので参照いただきたい。
今回使うのは世界銀行のホームページからダウンロードすることができるデータベースとUNDPが実施した調査報告書。1つ目は、開発途上国の実務に携わる人にはおなじみのWDIだ。マクロ経済指標を中心にデータがまとめられていて使いやすい。これらのデータをエクセルにまとめ、視覚的にもわかりやすくしたうえで分析してみたい。2つ目は、通常であればPovcalNetを使いたい。ここでは、世帯調査で得られたデータ(平均)をダウンロードできる。タイトルから明らかなように、貧困(貧困率・貧困ギャップ、二乗貧困ギャップなど)、消費、不平等に関するデータが含まれている。世界銀行が毎年公表する貧困指標の元データだ。しかし、残念なことに、ミャンマーに関しては、世界銀行が世帯調査を実施しておらず、PovcalNetだけでなく、WDIからも貧困指標を得ることができない。そこで唯一利用可能なデータが、UNDPが実施した世帯調査「Integrated Household Living Conditions Survey in Myanmar (2009-10)」だ。そして、この調査結果を用い、貧困プロファイルが公開されている。PovcalNetが使えないため、今回は貧困プロファイルで得られる情報を元に分析してみたい。
マクロ経済指標は、WDIから取得することが多い。しかし、WDIには2005年から2010年のデータが無い。そのため、グラフにすると「抜け」が生じるが、その後の推移を見れば大きな傾向はつかめると思う。
1990年台には、高いインフレ率と低成長にあったミャンマーだが、ここ数年間の経済成長は目を見張るものがある。グラフを読み解く際に一点だけ留意いただきたいのが、現地通貨建てであること。WDIにはドル建ての経済指標が無く(為替データの取得が困難なためと思われる)、現地通貨(MMK)建てのグラフとなっている。
また、世界銀行の別の報告書では国際通貨基金(IMF)による推計値を参照し、同様の経済成長トレンドを示している。民政移管後の実質GDP成長率は7-8%と高い水準を維持している。
統計データの制約から、ミャンマーの貧困指標は2005年と2010年の2時点でしかデータを得ることができない。この期間のみを見れば、大幅な改善傾向にあるといえる。2005年から2010年にかけて、貧困率(P0)は32.1%から25.6%まで改善した。ここで使われている貧困ラインはMMK162,136とMMK376,151で、現地通貨建てで物価調整されている。
貧困ギャップ(P1)、二乗貧困ギャップ(P2)についても、同様に改善傾向にある。貧困率だけでなく、貧困ギャップも改善していることから、貧困層全体の経済水準の底上げが達成されたと捉えてよい。また、貧困二乗ギャップも改善していることから、貧困層間の経済的格差も縮小傾向にある。貧困指標すべてで改善傾向が表れていることから、ミャンマーの貧困世帯の経済状況は改善傾向にあると考えてよいだろう。貧困ラインより更に低く設定されている食糧貧困ラインを基準にしても、改善傾向を見ることができる。
次に、地域別に貧困指標を見る。総じて、地域別の貧困指標も改善傾向に変わりはない。多くの開発途上国と同様に、ミャンマーでも農村部に貧困層が集中し、都市部の貧困率が低いことがわかる。2010年の貧困率は全国で25.6%。地域別にみると、農村部で29.2%、都市部で15.7%となっている。トレンドは下降傾向にあるが、都市と農村の経済格差が大きいことがポイントだ。
不平等を表すジニ係数やローレンツ曲線を使った分析ができないために確定的な判断は難しい。ただ、下位20%の消費支出のシェアが微増していることから、若干ではあるが、貧困層の経済水準が相対的にも改善されていると捉えることができる。
成長発生曲線(Growth Incidence Curve: GIC)を描いてみると、消費支出の伸びがどの所得階層で発生しているのかを分析することができる。GICは、縦軸に消費・所得の年平均成長率、横軸は所得順に世帯を並べたもの。つまり、どの所得階層が最も成長したかがわかる。経済成長パターンが、富裕層に有利なのか、低所得者層に有利なのかが一目瞭然となるわけだ。
総論としては、貧困層で高い消費の伸びが見られる一方、富裕層ではマイナス成長となっている。経済成長パターンがボトムアップとなっており、貧困削減と不平等の是正に寄与したと考えることができそうだ。
経済構造と雇用の関係について検証していく。産業別GDP貢献度に関するデータはWDIで取得が可能だが、1996年から2004年までのデータしかない。これに世界銀行の別の報告書から2010年のデータを加えると、以下のようなグラフが出来上がる。これを見ると、農業セクターがシェアを落とし(60%→37%)、鉱工業(10%→26%)およびサービス産業(29%→37%)が経済の牽引役として成長してきていることが伺える。
労働者の産業別分布を見ても、明らかな経済構造転換が見られる。1990年には労働者の70%が農業従事者だったが、2010年には52%となっている。一方、サービス産業に従事する労働者の割合は21%から37%まで伸びており、ミャンマー経済は、第一次産業から第三次産業への転換期にあると考えられる。
ミャンマーは特に民生移行後、急速な経済成長を遂げている。また、昨今の外国企業の進出を踏まえれば、2016年現在の経済規模は更に大きくなっていると考えられ、個人所得の増加もそれに伴い改善傾向にあると想定される。
このように、ミャンマーは大きな転換期にある。したがって、今回の分析結果は、データの制約によってかなり時代遅れのものとなっているかもしれない。最新のデータ収集が進んでいるようなので、新たな貧困分析が近々行われることが期待される。
経済成長に取り残された人々がどこにいるのか。精緻な分析に基づいた政策づくりが望まれる。