説明
日本外交史研究者として出発しながら、国連にかかわる仕事を続け、民族紛争が激化した1990年代に国連難民高等弁務官をつとめた緒方貞子。その後、「人間の安全保障」を提起し、日本の開発援助を主導していく。生い立ちから現在までの歩みを、詳細な聞き取りによってたどる。日本を代表する国際派知識人の決定版回顧録。
世界各地で民族紛争が激化し、住み慣れた土地から膨大な人たちが難民となって流出した1990年代に、緒方貞子さんは、国連難民高等弁務官を務め、救援活動に心血を注いだ。小さな体ながら困難な状況に毅然として立ち向かう姿が、記憶に刻まれている方も多いのではないだろうか。本書は、生い立ちから現在までの緒方さんの歩みを聞き書によってたどる回顧録である。
政治家・外交官の一家に生まれ、早くから海外経験をもった幼少期。戦後のアメリカ留学を経て、満州事変研究からスタートした研究者生活。国連に関わり始め、国連難民高等弁務官や「人間の安全保障」委員会代表などの国際人として活躍した時期。緒方さんのこれまでの多面的な活動が、インタビューを通して瑞々しく語られている。回顧録の決定版と言える書籍。
編者略歴
野林 健(のばやし たけし)
1945年生まれ.一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。東洋学園大学教授。一橋大学名誉教授。法学博士。国際政治経済学。著書に『保護貿易の政治力学――アメリカ鉄鋼業の事例研究』(勁草書房),『管理貿易の政治経済学――米国の鉄鋼輸入レジーム1959~1995』(有斐閣),『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣),『国際政治経済を学ぶ――多極化と新しい国際秩序』(共編,ミネルヴァ書房)他.
納家政嗣(なや まさつぐ)
1946年生まれ。上智大学大学院外国語学研究科国際関係論専攻博士後期課程単位取得退学。上智大学教授。一橋大学名誉教授。国際政治・安全保障論.著書に『国際紛争と予防外交』(有斐閣)。『大量破壊兵器不拡散の国際政治学』(共著,有信堂高文社)。『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣)。『日本の大戦略――歴史的パワーシフトをどう乗り切るか』(共著,PHP研究所)他。
登録情報
単行本: 328ページ
出版社: 岩波書店 (2015/9/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4000610678
ISBN-13: 978-4000610674
発売日: 2015/9/11