¥299
ようやく時代が映画の世界に追いついた気がする。作品が公開された2006年は、私が渡英する直前。作中で登場する携帯電話はスマートフォンではなく、ノキア。インターネット検索サイトのグーグルのホームページも当時の形。航空券も硬めの紙で、往復航空券が切り取り線で繋がっているタイプで全てが懐かしい。その時代背景の中で、休暇中の家を交換するサイトを使ってロサンゼルスとコッツウォルズの自宅を交換する。民泊が手軽になった今では何の変哲もないやり取りも、当時の雰囲気を考えると真新しい夢のようなやり取りで、感慨深い。ロンドンではなく、コッツウォルズというのも渋い。インターネットで得たい情報が瞬時に得られる今と異なり、知らない国の田舎で休暇を過ごすアレンジをするのは、とても勇気が必要で難しいことだった。「コッツウォルズでクリスマスを過ごしませんか?」という情報を人づてか大学の看板で見つけてきて冒険してみたり、思い出作りにはいつでも勇気が必要な時代だった。物語の脚本は苦しいけれど、15年前のイギリスのクリスマスを思い出した作品だった。
邦題「ホリデイ」。ロサンゼルスで映画の予告編制作会社を経営するアマンダは恋人に浮気され、彼を家から追い出した。ロンドンの新聞社に勤めるアイリスは、元恋人に婚約発表をされて失意のどん底に。傷心の2人はインターネットの”ホーム・エクスチェンジ”というサイトに出会い、お互いの家を交換して相手の家具や車を自由に使えるという休暇を過ごすことにした。
ナンシー・マイヤーズ
キャメロン・ディアス, ケイト・ウィンスレット, ジュード・ロウ