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アフガニスタンの砂漠に用水路を引き、60万人が生活する一帯を緑化。国家事業規模の国際貢献をしても、日本では小規模のNGOの活動としてしか認識されない歯がゆさを感じる。そして、開発援助業界に人生を投じている者の一人として、心に残った言葉がいくつもあった。「今更日本に戻ったところで、自分にできることはない。日本での経験がなく、アフガニスタンの現場にいることが自分の生活のためでもある。」「(周囲に大きな事業の達成を称賛されても達成感はないという問いに)目の前の人が幸せになる姿を見て達成感を感じるだけでよいのではないか。」
2019年12月、人道支援を続けていたアフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師。 現地での35年に渡る活動の中で、医療に留まらず井戸掘り、用水路建設と目の前の命に救いの手を差し伸べてきた。2010年に完成させた用水路は今、65万人の生活を支えている。
河村聡, 臼井賢一郎
中村哲