仕事の未来に社会保障を適用させる方策とは?

ペーパードリップ(Paper Drip)は「3分で学術論文の要点を読む・読ませる」を実現する企画です。研究者は端的に要点をまとめ、実務家は短時間でエビデンスを把握し、実務へ活用する。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指しています。

著者名
Behrendt C. and Nguyen Q.A.

論文の題名
Ensuring universal social protection for the future of work

論文が答えようとしている問い
仕事の未来に社会保障を適用させる方策とは?

政策メッセージ
社会保険・社会福祉の両輪をうまく組み合わせることが重要。

分析手法
文献レビュー。

分析結果
保険料および税収を財源とした社会保障制度を効果的に組み合わせ、様々な雇用形態で働く労働者を保護する必要がある。政府はこうした流動的な労働市場のあり方に社会保障制度を適応させていかなければならない。

URL
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1024258919857031

労働形態の変化に社会保障はどう対応すべきか?

ペーパードリップ(Paper Drip)は「3分で学術論文の要点を読む・読ませる」を実現する企画です。研究者は端的に要点をまとめ、実務家は短時間でエビデンスを把握し、実務へ活用する。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指しています。

著者名
Behrendt C. et al

論文の題名
Social protection systems and the future of work ensuring social security for digital platform workers

論文が答えようとしている問い
労働形態の変化に社会保障はどう対応すべきか?

政策メッセージ
新しい労働形態へ法的・事務的な適応が必要。

分析手法
文献レビュー。各国の具体的な政策を引用することで、政策の方向性を体系化。

分析結果
オンデマンドワーカーの登場など、雇用形態が複雑化している現状を踏まえ、次のような政策対応が必要。

  • 法的枠組みを調整し、雇用関係を明確化。
  • すべての労働者に社会保障が適用される法整備を行い、義務の履行のためにデジタル技術を活用。
  • 行政事務と資金調達の簡素化と適応。
  • 複数の雇用主を持つ労働者に制度を適応し、転職しても加入履歴が継続する仕組みを確立。
  • 移民労働者が社会保障に加入し続けられるように国を超えた調整メカニズムを確立。
  • 労働組合の役割を強化。

URL
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/issr.12212

どのセクターの成長が貧困削減を牽引するか?

ペーパードリップ(Paper Drip)は「3分で学術論文の要点を読む・読ませる」を実現する企画です。研究者は端的に要点をまとめ、実務家は短時間でエビデンスを把握し、実務へ活用する。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指しています。

著者名
Ivanic M. and Martin W.

論文の題名
Sectoral productivity growth and poverty reduction: National and global impacts

論文が答えようとしている問い
どのセクターの成長が貧困削減を牽引するか?

政策メッセージ
工業・サービス産業よりも、農業の生産性向上が貧困削減を牽引する。

分析手法
複数のデータソースを使用。世界貿易分析プロジェクトのデータベース(GTAP)から140か国、57の貿易セクターの経済データを取得。一般均衡モデルを用い、生産性が増減することによって国民所得、製品、価格が長期的にどのような影響を受けるのかを分析。生産性と価格の変動を31か国、315,000世帯のデータに適用し、貧困への影響を分析。

分析結果
低所得国では一般的に、農業の生産性向上は工業・サービス産業よりも高い貧困削減効果を持つ。

URL
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0305750X17302383

政府支出は所得貧困を改善するか?

ペーパードリップ(Paper Drip)は「3分で学術論文の要点を読む・読ませる」を実現する企画です。研究者は端的に要点をまとめ、実務家は短時間でエビデンスを把握し、実務へ活用する。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指しています。

著者名
Anderson E. et al

論文の題名
Does government spending affect income poverty? A meta-regression analysis

論文が答えようとしている問い
政府支出は所得貧困を改善するか?

政策メッセージ
政府支出を拡大すれば所得貧困が改善するという明確な根拠はない。

分析手法
問いに関する19ヶ国169の分析結果を用いてメタ回帰分析を実施。

分析結果
低中所得国において、政府支出を拡大することで所得貧困が改善するという明確な傾向は確認できない。ただ、地域によって程度の差はある。

URL
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0305750X17303200

新しい働き方が生まれ、転職という概念がなくなるとき

未来の仕事というテーマでILOは調査研究を実施し、100周年の記念事業としています。実務レベルでは、これをどのように実現していくかが課題となってきます。調査報告書や宣言文を読んでいただければわかるのですが、AIなど新しい技術に既存の仕事が奪われるというリスクはある一方、新しい仕事や機会が生まれる時代となるということが書いてあります。 さらに読む

新卒時点で一番国際機関に近い若手人材の宝庫はJICA職員です

そのとおりですね。邦人増加について、民間やJPO人材のサポートの取り組みはご指摘の通り大切ですが、新卒時点で一番国際機関に近い若手人材の宝庫はJICA職員です。無休休職や出向などを積極的に国として推しても良い気がします。 さらに読む

国際開発「実務家」学会を作ろうか?

開発協力実務家73人のアンケート結果、63%が実務に役立てるために論文を読みたいと考えていることがわかった。一方、誰かと勉強会を行っている人は1%。皆がチームになって交代で一ヶ月半毎に一本論文レビューして共有すれば毎日一本新しい論文のレビューが読めるようになる。とりあえずこれを実務家でやりたい。

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途切れ途切れの開発協力の実務家キャリアを繋ぐ場所

学会や研究所をアップデートする」という記事を書いた。これも「国際開発の研究チームを一緒に作りませんか?」と同様に賛否両論色々な意見を頂いた。 さらに読む

学会や研究所をアップデートする

先週、「国際開発の研究チームを一緒に作りませんか?」と勢いに任せて書いたところ、コメント欄やSNSなどで多くの反響を頂いた。これはとてもありがたいことで、「『その手の問題意識』を持っていたのは私だけではなかった」というある種の安心感になった。この場を借りて、反響を頂いた皆様にお礼申し上げたい。それと同時に、「一歩踏み出さなければいけない」という気持ちも生まれてきた。 さらに読む