携わっている仕事について書きます。

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バングラデシュは雇用創出へ経済成長率8%を持続させる必要がある

9月1日に発表されたアジア開発銀行(ADB)の調査結果によれば、バングラデシュは経済成長率8%を持続させる必要がある。今後15年間の余剰労働力を吸収するためには、年率8%の成長を継続しなければならない。

これを踏まえれば、縫製産業を含む労働集約型産業は成長し続けなければならない。農業セクターも資産性の高い雇用を創出するために多様化を図る必要がある。また、建設業は昨今不安定な市況にあるが、雇用創出の観点からは潜在的に高い可能性を秘めている。

参照元:8pc growth needed to create more jobs

バングラデシュでIT専門家の養成プロジェクト、アジア開発銀行がICT拡充へ支援

アジア開発銀行は2017年を目処に、バングラデュのIT専門家を養成するプロジェクトを開始する。250百万ドルを投じて実施されるプロジェクトは2022年までの予定で実施され、バングラデシュの情報通信技術分野(ICT)を拡充することを目指す。

プロジェクトはダッカ大学、バングラデシュ工科大学(BUET)、ジャハンギルナガール大学(Jahangirnagar University)他多数の大学と連携して実施される予定。

外部リンク
ADB to implement $ 250m project to produce IT experts in BD

フィリピン大統領とJICA理事長が面会へ、鉄道などインフラ案件への資金協力を議論

フィリピンのドゥテルテ大統領が日本を公式訪問している。26日には安倍首相と会談する予定。

また、27日には国際協力機構(JICA)の北岡理事長がドゥテルテ氏を表敬訪問すると地元紙が伝えている。同紙によれば、鉄道を含む、複数の案件に対する資金協力について話し合う見込み。

安倍首相が先月、ラオスでドゥテルテ氏と会談した際に、特に国際協力機構(JICA)の事業への感謝を語ったとされる。

今回の訪日にあたり、「お願いのために訪日するわけではない」というコメントが出ているが、今後のフィリピンに対する開発援助についてどのような話し合いがされるか、注目が集まる。

参照元:Rody off to Tokyo today

パキスタンで大規模な交通インフラ改修プロジェクト、アジア開発銀行

8月30日、アジア開発銀行(ADB)がパキスタンへ約198億円(197.85百万ドル)を融資することで合意した。資金の使途は、同国南部シンド州の道路改修事業。

同事業では、シンド州の4つの県(Sanghar、Mirpur Khas、Badin、Kashmore)で道路を改修・拡張することを計画している。

また、事業実施の過程で公的機関の実施能力の強化も見込まれる。大規模な交通インフラ事業を通じて、労働者や行政機関の能力向上が達成できれば、持続可能な経済成長に資することが見込まれる。

参照元:Asian Development Bank to provide $197.85m for Sindh Roads Improvement Project

カザフスタンの交通インフラ整備をアジア開発銀行が支援

アジア開発銀行(ADB)は240.3百万ドルをカザフスタンに融資する。交通インフラ整備が目的。

対象区間は、Aktobe-Makat区間の道路299kmで、近代的な技術を用いて再整備する。道路整備に加え、交通情報システムを導入することで、交通安全やロジスティックスの面で効率化が見込める。

同案件を通じて、東アジアとヨーロッパを結ぶ回廊の交通網が一層効率化する見込みだ。

周辺住民の生活水準の向上や、カザフスタンの持続可能な経済成長にも寄与することが期待されている。

外部リンク
ADB approves $240m to help Kazakhstan modernize transport, improve connectivity

スリランカで戦略的都市開発プロジェクト、世界銀行

世界銀行がスリランカの戦略的都市開発プロジェクトを支援する。融資総額は202百万ドルで、案件計画額は257.08百万ドル。差額はスリランカ政府の自己資金で賄う。

世界銀行のほか、フランス開発庁(AFD)とアジア開発銀行(ADB)も同プロジェクトへ協力する見込み。

プロジェクト対象地はKandy、Galle、Jaffnaの三都市で、都市サービスの総合的な拡充を目指す。具体的には、交通マネジメント、水の供給、接続性向上、排水システム、観光計画、公共スペースへのアクセス向上などが含まれる。

世界銀行が一連の計画から実施までをマネジメントし、同プロジェクトをリードしていく。

外部リンク
World Bank funds Sri Lanka Strategic Cities Development project
World Bank support of US$ 202 mn to improve livability and infrastructure in three major cities of Sri Lanka

アルゼンチンが貧困率を発表、880万人が貧困線以下の暮らし

アルゼンチン政府が貧困率を3年ぶりに公表した。足元の貧困率は32.2%。国民の3人に1人、880万人が貧困層ということになる。

現地紙は2013年時点で貧困率は4.7%だったとし、急上昇した印象を与えている。ただ、基準とした貧困線が同じものかどうかは、言及されておらず確認が必要。

なお、基準となった貧困線は、必要最低限の食糧と生活必需品の価格を加味したものと報じられている。

国連の日本人職員を増やすには、JICAからの出向を増やせばよい?

前回の記事「国連に日本人職員が必要な2つの理由 」で、日本人職員が国連に少ない問題について書きました。

では、どうやって人数を増やせばよいのでしょうか。 さらに読む

ベトナムの最低賃金と税制改革、巨大なインフォーマル経済の影

外資誘致に配慮し、最低賃金は小幅な上昇

ベトナム政府は2017年の最低賃金を7.3%引き上げることを発表した。これによって最低賃金は月375万ドン(約1.65万円)となる。労働者側の11%と企業側の5%の賃上げ要望に対し、妥協点がその中間に落ち着いた形だ。

日経新聞によれば、「安い労働力を期待する外資の進出を妨げない程度の上昇率にする」といった判断があったようだ。ベトナムと同様に縫製産業の誘致を進めるカンボジアやバングラデシュに比べ、ベトナム(ハノイ)の一般工員の月給は1.7倍。競争力を失わない程度の賃金上昇に抑えるインセンティブが働くのも当然だろう。

 

中小企業に対する減税でガス抜き?

最低賃金の上昇とほぼ同時に報道されたのが、中小企業(SMEs)に対する減税措置だ。年商200億ドン(USD896,000)に満たない中小企業には、従来より3%低い17%の税率が適用されることとなる(2017年から2020年までの暫定措置)。

この減税措置に関しては、有識者から疑問の声が上がっている。「3%の減税は中途半端で効果が期待できない。10%にすべき。減税は企業規模のみ考慮すべきではない。スタートアップ、科学技術分野など、成長産業への投資を促す政策であるべき。」

また、同記事中の有識者も指摘するように、外資を誘致することは地元中小企業の育成を阻害する要因にもなりうる懸念もある。

中小企業からの批判を避ける目的で、最低賃金の上昇と減税措置がほぼ同時に報道されたわけではないだろうが、低賃金によるメリットと地場産業の育成のバランスをいかに維持するか。ベトナム政府が難しい舵取りに苦労している姿が見え隠れする。

 

巨大なインフォーマル経済への対処

国際労働機関(ILO)の報告によれば、ベトナムの労働者の約8割が非正規雇用者である。もちろん、上記のような最低賃金や課税措置はインフォーマル経済で暮らす雇用者や中小企業には適用されない。政府が捕捉しきれずに非正規に留まっている個人・法人もいれば、課税や煩雑な事務手続きから逃れるために非正規を選択している場合もある。いずれにせよ、この巨大なインフォーマル経済をいかに正規化するかが、国の発展段階で不可欠なプロセスとなる。

経済成長が持続し、最低賃金が継続的に上昇している現状は歓迎されるべきことだろう。そして、経済成長が雇用を創出し、多くの若い労働者へ活躍の場を与えている現状もすばらしい。ただ、中長期的にこのような好循環を継続していくためには、インフォーマル経済で生計を立てる非正規雇用者をいかに「正規化」することができるかが重要な要素となる。

ナイジェリアでスマートフォンとアプリを使った汚職防止策が効果

ナイジェリアの運送業者はチェックポイントでたびたび止められることに悩んでいる。こうしたチェックポイントの多くは、違法に設置され、ドライバーから違法に現金を徴収する。ドイツの援助機関GIZの2012年の調査によれば、運送業者の約60%が、一度の輸送で3~5回の違法なチェックポイントを通過している。違法に徴収される料金は一日の稼ぎを超えることもあるが、断ると暴力の脅威にさらされるという。

こうした状況に対応すべく開発されたのが、スマートフォンアプリ『Trade Route Incident Mapping System(TRIMS)』。アプリを通じて、運送業者は匿名でこうした違法行為を報告することができる。送信された情報は、TRIMSのシステムで一元管理され、誰もが地図上で確認することができるようになる。

2014年に始まったこのプロジェクト。既に2,000件以上の事案が報告されている。アプリを通じて情報が拡散されるため、汚職防止へ向けた注意喚起が期待できるという。

情報通信技術(ICT)を活用した汚職防止策にますます注目が集まりそうだ。