携わっている仕事について書きます。

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タイ経済は回復基調も、少子高齢化が喫緊の課題に

世界銀行がタイの経済分析を公開

世界銀行がタイの経済・社会分析を公開した。ここでは、ざっと要点をまとめてみたい。若干ぶっきらぼうな箇条書きとなっている部分はご容赦いただきたい。

まず、経済。経済成長率は2014年から15年にかけて、0.9%から2.8%へ回復。2016年は2.5%の見込み。観光業と財政出動が経済成長を牽引。

貧困率も改善傾向が続く。ただし、貧困削減スピードは遅くなっており、特に農村部の貧困層は農産物価格の下落に苦しんでいる。

マクロ経済は良好だが、貧困層の集中する農村部では課題があるようだ。

タイは、アジアで最も高齢化の進んだ国へ

ASEAN地域では少子高齢化が急速に進んでおり、タイがその筆頭となっている。

2016年には、全人口の11%(約750万人)が65歳以上となる。1995年は5%だった。高齢化は続くと見られており、2040年までには人口の4分の1にあたる1,700万人が高齢者となる見込み。

高齢者の比率が上昇している最大の原因は、少子化にある。出生率は1965年の6.1人から2015には1.5人まで減少した。この背景には、1970年に始まった国家家族計画プログラムの成功があると見られる。

労働者人口も減少の一途をたどり、2040年までに11%減り、4,900万人から4,050万人となる見込み。

タイ政府にとって、労働市場と経済構造転換が喫緊の課題

労働者人口が減少する中、少ないマンパワーで高い生産性を達成する経済構造を実現する必要がある。

高齢化社会が必要とする年金、保健・医療など、長期間にわたって財政支出が拡大していくことが予想される。

アフリカの気候変動対策には300兆円足りない?

アフリカ諸国は気候変動対策に約300兆円必要としている。INDCsの試算によると、気候変動の影響を緩和するための政策に約270兆円(2.7兆ドル)、適応策に約49兆円(4,880億ドル)が2030年までに必要とされるようだ。

さらに、世界銀行と国連環境計画(UNEP)の分析によれば、気候変動対策にかかるコストは2050年までに年間2~5兆円(200~500億ドル)達する見込み。平均気温が4度上昇すると、年間10兆円(1,000億ドル)となる計算だ。

 

ベトナム経済、イギリスEU離脱の影響で損失の見込み

イギリスのEU離脱が、ベトナムの繊維産業へ悪影響を与えそうだ。ベトナムの繊維産業の輸出額は、対EUが約20%。そのうちの4%が対イギリスだった(2015年)。

ポンドやユーロの下落によって、ベトナムドン建ての歳入が目減りすることが見込まれている。また、政情不安によって、ヨーロッパ諸国の消費者の購買力が低下することも懸念されている。

現地メディアでは、繊維産業関係者のコメントが伝えられており、今年の第4四半期に通貨安の影響があらわれると予想されている。

世界の工場と呼ばれる東南アジア。繊維産業の損失が拡大すれば雇用も失われかねず、マクロ経済だけでなく中間層・貧困層への影響も避けられない。

また、ベトナムだけでなく、他のアジア諸国への影響も懸念されるだろう。

 

千里の行も足下より始まる - 事業報告(2016年4-6月期)

千里の行も足下より始まる

2016年4-6月期の事業報告です。千里の行も足下より始まる 。人気を追わず、重要な情報やトレンドを届けることに力点を置いていきます。

今期は、引き続き多くの方に記事を投稿いただくことができました。青年海外協力隊が生の情報を任地から発信する理想的なモデルを開始することができました。開発途上国のリアリティと、地域や世界レベルの援助潮流をバランスよく発信していく記事を掲載することができたと思います。記事の本数を見ても、前期52本から129本となりました。今期は開発途上国のメディアに掲載された注目度の高いニュース記事を日本語で要約して配信することも試みました。こうしたことから、質と量ともに高いレベルを維持できたと思います。

 

事業報告

別の記事でご説明の通り、The Povertistでは閲覧数(PV)よりも、必要としている方へ届けることに重点を置いています。PVは一つの指標にすぎませんが、今回もご報告したいと思います。

PVは7.8万件で前期比+48%となっております。前期は、一般向けの解説記事でアクセスが伸びる傾向がありました。今期に関しては、青年海外協力隊の現地レポートなど、より開発課題の核心に迫った記事のアクセスが伸びる傾向にありました。The Povertistの目指す方向性です。

このほか、年齢、ジェンダー、SNSフォロワー数などのデータをまとめています。事業報告の詳細については、媒体資料 (2016年4-6月期)をご参照ください。

 

イギリスEU離脱の開発途上国へのインパクト、英国シンクタンクがイベント開催

世界屈指のシンクタンクである英国海外開発研究所(ODI)が、イギリスEU離脱(BREXIT)に関するパネルディスカッションを開催する(開催情報は記事下部)。

世界の株価は2兆ドルの損失を記録し、BREXITに伴うリスク回避の動きが鮮明となっている。さらに、流動性の低い開発途上国のマーケットでも、ボラティリティの高い動きが続いており、すでに目に見える影響が出ている。

イギリス政府の開発援助政策に影響力をもつシンクタンクが開催するイベントなので、注目したいところだ。日本からもオンラインで視聴が可能なので、是非登録してみてはいかがだろうか。

 

日時

7月7日18:00-19:30(現地時間:GMT+1 )

 

登壇者

David Luke – Coordinator of the African Trade Policy Centre, UN Economic Commission for Africa (UNECA)

Vicky Pryce – Economist and former Joint Head, UK Government Economics Service

Mohammad Razzaque – Adviser and Head of the International Trade and Regional Cooperation Section, Commonwealth Secretariat

Phyllis Papadavid – Team Leader in International Macroeconomics, ODI

 

登録方法

ODIホームページから登録可能

 

中国が開発援助をする側に、JICA研究所が援助額推計を発表、世界第9位

JICA研究所が推計値発表、中国による開発援助量が高水準

JICA研究所が6月30日に公開したワーキングペーパー「Estimating China’s Foreign Aid II: 2014 Update」によれば、中国の開発援助量の増加傾向は続いているようだ。

中国の対外援助額は、政府が公式統計を発表していないために、ベールに包まれていた。そこで、JICA研究所の研究チームが独自の手法で研究を行い、推計値を発表していた。

今回の論文は、前回発表された推計値のアップデートを試みたもの。引き続き増加傾向がみられる。

推計によれば、中国の対外援助(純額:NET)は2012年の約52億ドルから2013年には約54億ドルに増加したものの、2014年には約49億ドルに減少した。微減とはいえ、引き続き高い水準を維持していることに変わりはない。この水準は、先進諸国と比較しても引けを取らず、世界第9位(2013年)に相当する。

JICA研究所のプレスリリースによれば、2015年以降も引き続き増加傾向は続く見通し。先進諸国と比較しても、上位に食い込んでくると予測している。

また、現在国際社会で議論されているODAの定義ではとらえきれない、中国ならではの対外援助の方向性についても注視していく必要があるとされている。

援助する側となった中国の動向から目が離せない。

 

中国対外援助とDAC諸国のODAの推移(純額)(単位10億米ドル)

 

 

中国対外援助額(純額)の推計額(単位10億米ドル)

 

 

 

編集長が独断と偏見で選ぶ厳選記事5本(2016年6月)

編集長が独断と偏見で選ぶ厳選記事5本

6月に公開した記事の中から、独断と偏見で5本選びました。アクセスランキングだと、月初に公開したものがどうしても有利となってしまい、月末の良質な記事が埋もれてしまいます。それをここで掘り起こしたいと思います。まだ、読んでいない記事があれば、この機会に是非「一気読み」してください!

 

文字が読めないおばあちゃんがエンジニア!?インドのNGO「ベアフット・カレッジ」の取り組みが凄すぎる

ロンドン大学で教育開発とジェンダーを専攻する貝瀬さんが、インドの現地調査で訪れたNGOをレポートしています。「ベアフット・カレッジ」というNGOが世界的に注目を集めているようです。

 

女性の地位向上に貢献するインドの革新的NGOベアフットカレッジ

貝瀬さんのレポートの第二弾です。ベアフット・カレッジの理念やアプローチについて迫っています。アップルも出資するほど注目されるNGOは、どのように女性の地位向上を図っているのでしょうか。

 

開発途上国の社会保障と国際協力の潮流をわかりやすく解説

開発途上国の社会保障の専門用語やトレンドをわかりやすくまとめました。比較的時間をかけて書きましたが、マニアックすぎてアクセスは伸びていません。それで良いのです。必要とする人に届けば・・・。

 

世界銀行がホストコミュニティ支援に175百万ドル、アフリカの角難民

人道支援におけるホストコミュニティに対する開発協力の大切さをたびたび指摘してきました。今回の世界銀行の支援がまさにそれに当たります。

 

もしもイギリスEU離脱で世界経済危機が起きたら

こちらもマニアックすぎて、あまり注目されなかった記事です。リーマンショック以降、各国政府がどのような政策をとってきたかまとめました。

最も読まれた記事 TOP 10(2016年6月)

1ヶ月で最も読まれた記事TOP10

6月に公開した記事の中で、最もアクセスの多かった記事を紹介します。まだ、読んでいない記事があれば、この機会に是非「一気読み」してください!

 

1位 ベトナムの貧困分析をエクセルでやってみた

ある国を担当することになったら、まず何をすべきでしょうか。ベトナムの国担当になったことをきっかけに、簡単なデータ分析をやってみました。オンラインで入手できるデータをエクセルを使って視覚化するだけでその国の実情が垣間見ることができます。

 

2位 マラウイ農村の公衆衛生の問題点は?-サニタリーモニタリングを実施して分かったこと

マラウイで青年海外協力隊として活動中の原祥子さんの調査報告です。マラウイの農村を実地調査したデータもさることながら、足で稼いだデータ数に驚かされます。

 

3位 フィンテックはアフリカに学べ!ケニアで生まれた革新的モバイル送金サービス”M−PESA”のスゴさを徹底解説!

開発途上国の情報通信技術(ICT)分野では、言わずと知られたM-PESA。Africa Quest.com編集長の横山さんのレポートです。実際に使った人でなければ分からない、ケニアのフィンテック事情が興味深いです。

 

4位 WHO日本人職員に聞く、ヨーロッパへ移動する国外避難民と結核対策の今

ジュネーブ国際機関日本人職員会(JSAG)との連携第一弾。WHOで活躍する濱田さんに、移民と感染症対策の最前線を聞きました。

 

5位 協力隊ブログを探すにはここで決まり!JICA.INFO

青年海外協力隊のブログを集めたまとめサイトを見つけました。公式ページ並みの「それっぽさ」に惹かれます。

 

6位 マラウイの銀行、ビレッジバンキングを推進する5つのメリット

青年海外協力隊がマラウイの農村金融に迫ります。その仕組みがとても興味深いです。

 

7位 アジアインフラ投資銀行(AIIB)が第一回年次総会、協調融資など着々

AIIBが年次総会を実施。ADBや世界銀行などと協調融資を開始しました。日本では否定的な意見も多いAIIBですが、国際開発金融機関としての階段を着々と上っているように見えます。

 

8位 ガーナが国家社会保障政策を発表、ポイントをわかりやすく解説

ガーナが社会保障政策の国家戦略を発表しました。同国の貧困削減政策の根幹を支える最重要政策となるため、ポイントをわかりやすくまとめました。

 

9位 マイクロファイナンスは貧困削減に効果なし?カンボジア調査結果

マイクロファイナンスがカンボジアで効果なし。衝撃的な研究結果でした。ただ、その後のコメントのやりとりなどを見ていると、それなりの理由がありそうです。

 

10位 マラウイのトイレを綺麗にする方法、コミュニティ主導型総合衛生管理(CLTS)という改善策

マラウイ農村の公衆衛生の問題点は?」に対する記事です。CLTSという参加型手法を応用すると面白いかもしれません。

カンボジアのマイクロファイナンス経営はちょっと特殊かも?

他のアジア諸国では見られない傾向

先日掲載した記事「マイクロファイナンスは貧困削減に効果なし?カンボジア調査結果(6月15日掲載)」についてコメントを頂いた。これがとても興味深いので、ここで改めてご紹介したい。前回の記事では、「マイクロファイナンスが、貧困削減に効果がない」という調査結果を紹介した。

これに対し、いただいたコメントがこちら。

「カンボジア金融機関の支店の財務諸表分析やインタービューの結果、カンボジアのマイクロファイナンス経営はバングラデシュやフィリピンで行われているようなマイクロファイナンス運営とかなり違う。グループレンディングの比重がかなり低く、担保を取っての貸し出しが中心のようだ。」

これは記事中で有識者も指摘している点だ。「担保として土地の登記証明を提示できない低所得者層が優遇金利で借り入れることは難しく、相対的に不利な条件で借り入れざるを得ない。」

カンボジアでは、内戦によって多くの人が強制的に移住させられた。その影響で、土地の権利が誰に既存するのかがわからない状況で、現在大きな問題となっている(土地問題)。

自助グループに対する貸し付けが少ないのはなぜか?

マイクロファイナンスが活発な南アジア地域では、村人が自助グループ(Self Help Group)を組成して連帯責任を取ることで、融資を受けている例が多い(参考:外部リンク)。金融機関も結局はビジネスなので、単独で無担保融資は難しい。資金力も担保もなければ優遇金利を受けることができないか、断られるのが常識だろう。

では、なぜカンボジアでは自助グループに対する融資が少ないのだろうか。私はこれに対する回答を持ち合わせていない。

何かアイデアがあれば、是非、コメント欄かメールで意見を寄せていただければ嬉しい。

もしもイギリスEU離脱で世界経済危機が起きたら

イギリスのEU離脱で世界経済危機は訪れるのか?

開発途上国にはどのような影響があるだろうか。

国民投票の結果、イギリスが欧州連合(EU)を離脱することが濃厚となった。残留派を多く抱えるロンドンやスコットランドでは独立の機運が高まっており、ドミノ倒しのように離脱する国が増えていく懸念が広まっている。

開発援助との関連でいえば、ドナー諸国が多いヨーロッパで歩調が揃わないことは、持続可能な開発目標(SDGs)のスタートとしては最悪の事態だ。完全に冷や水をかけられたこととなる。

ただ、最大の懸念は、ヨーロッパにおける危機が世界規模の経済危機の原因となることだ。世界屈指の経済圏を有するヨーロッパ。そこで混乱が混乱を呼べば、世界的な経済危機は避けられない。一部では、リーマンショック以来の世界恐慌がやってくるともささやかれている。

 

もし、世界経済危機が起きたら、開発途上国への影響は?

世界的経済危機が訪れた場合、開発途上国では何が起こるのだろうか。週明けにかけて、世界中の専門家がブログや大手メディアへ寄稿しており、議論が過熱している。

実際のところ、どれほど著名なエコノミストが集まって議論をしても、未来は誰にもわからないのが現実。だからこそ、経済危機が何度も起きてきたわけで、「経済危機は起こるのか?」という問いが如何に不毛かは歴史が証明している。

私たちが唯一できることは、過去から学び、有事に備えることだ。ここでは2015年に出版された論文『経済調整の10年(The Decade of Adjustment)』を参考に、リーマンショックによる世界経済の停滞以降、各国がどのような政策を実施してきたのかを振り返ってみたい。

この論文は、国際通貨基金(IMF)による187ヶ国の政府支出予測(2005-20年)をもとに、その場しのぎの経済調整・緊縮財政がいかに公正な経済・社会秩序を乱すかを論じている。つまり、IMFの経済政策によって政府が緊縮財政を求められ、貧困層・中間層にとって公正でない経済・社会秩序が生まれる可能性を指摘したもの。

 

フェーズ1 - 経済危機発生・支出拡大(2008-09年)

2008-09年、ほとんどの国が政府支出を拡大し、景気刺激策を講じる。一時的に経済は立ち直るものの、政府支出増大の反動が訪れる。脆弱層(貧困層+α)は公的支援を必要としているが、政府は予算削減を開始。

 

フェーズ2 - 財政縮小(2010-20年)

財政縮小による経済調整によって、2016年以降、132ヶ国で経済成長が停滞することが予測される。特に、開発途上国で影響が強く、81ヶ国が公的支出を削減。全体の約3割の国が、経済危機前(2005-07年)の水準以下の緊縮財政を実施すると予測される。これらを踏まえれば、2020年までに3分の2以上の国で緊縮財政が実施され、全世界の人口の約80%が、緊縮財政の影響を被ることとなる。

 

経済危機後に政府が行う8つの政策

小さな政府(財政縮小)が意味することは何か。先の論文は、IMFのカントリーレポートから、IMFの経済政策(緊縮財政政策)の「助言」に共通点を指摘している。

  1. 補助金の削減(石油・農業・食糧等)(132ヶ国)
  2. 公的セクターの賃金カット(教育・保健従事者等)(130ヶ国)
  3. 狭義の貧困層にターゲットを絞った社会保障プログラムの実施(107ヶ国)
  4. 年金改革(105ヶ国)
  5. 労働市場改革(89ヶ国)
  6. 保健制度改革(56ヶ国)
  7. 消費税の増税(138ヶ国)
  8. 公共サービスの民営化(55ヶ国)

 

経済危機をきっかけに小さな政府へ

これらの政策を端的にまとめると、公的部門を縮小し、全国民に満遍なく負担を強いる経済構造への転換策と言えるだろう。

生活必需品に対する補助金は、財政を圧迫する最大の原因とみなされることが多い。言い換えれば、全国民が恩恵を受ける政策であるため、補助金の削減は全国民へ負担が生じることとなる。

補助金の代わりに、政府は貧困層にターゲットを絞った社会保障プログラムを拡大する傾向にある。現金給付プログラム(CCT等)に代表されるように、最貧層にターゲットを絞って定額支給することで、より効率的(経済的)に貧困削減を達成することができるという発想が根底にある。

年金や保健制度改革も同じロジックが適用される傾向がある。保険料や受診料の値上げや、年金受給開始時期・金額の下方修正などがこれに含まれる。

 

中間層のリスク拡大

こうした制度改革は、国際的な合意に反する。つまり、「誰も取り残さない(No one will be left behind)」をスローガンに掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に反する可能性がある。

経済危機をきっかけに小さな政府を目指すことで生まれる被害者は誰か。中間層に他ならない。

貧困ラインより少し上にいる中間層は、極めて低い所得水準で生活している。ある意味で恣意的に定められた貧困ラインによって貧困層とみなされないがために、社会保障プログラムや公的サービスの補助対象者となることができない。一方で、生活必需品に対する補助金の削減、消費税の増税など、日常の支出は増えるばかりだ。

一連の分析が正しいとすれば、「中間層のクビを絞めると同時に、貧困層へターゲットを絞ることで「ガス抜き政策」を実施する政府が多い」ということになる。

過去の経済危機の対応から見られる教訓は、「小さな政府の模索」と「脆弱な中間層を見捨てること」にあるのかもしれない。

もしも、経済危機がやってきたら、私たちは長期的な視点で政策を立案・注視すべきだろう。

 

※The Povertistでは寄稿を募集しています。イギリスのEU離脱にともなう開発途上国への影響について、投稿をお待ちしています。

 

外部リンク 

Ortiz, I. 2015. The Decade of Adjustment: A Review of Austerity Trends 2010-2020 in 187 Countries. ESS Working Paper No. 53