携わっている仕事について書きます。

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ジンバブエ旱魃で食糧輸入、南部アフリカを気候変動が襲う

気候変動でジンバブエが食糧不足

ジンバブエが1月から4月までの短期間で、35万トンのメイズを輸入していたことが世界食糧機関(WFP)の発表でわかった。旱魃による国内の穀物不足の影響を緩和することが目的だ。

WFPによれば、ジンバブエは180万トンのニーズを満たすために、さらに130万トンを輸入する必要があるようだ。

南部アフリカではエルニーニョの影響によって経済成長の鈍化と食糧価格の高騰が顕著に見られている。

来年4月までには、同地域に居住する3,200万人が旱魃の影響を受ける見込みで、677百万ドルが不足すると見られる。

 

参照:Zimbabwe imported 350,000 tonnes of maize to end of April

JICAがインドの経済成長と貧困削減に1,751億円の支援で合意

インクルーシブ成長へ、大型円借款契約に合意

国際協力機構(JICA)がインドの経済成長と貧困削減に約1,751億円(5案件)の支援で合意した。経済成長著しいインドでは、更なる成長へ向けたインフラ整備と、急速な成長に取り残される人々への支援の両方が必要とされている。

今回の大型支援実施に至った背景には、経済成長と貧困削減にかかる多様なニーズへの対応が求められていることがある。

 

包括的に経済インフラとボトムアップを図る

支援パッケージには、電力供給や鉄道整備といった経済インフラの強化に加え、貧困率の高い地域における下水道整備を通じた衛生状況の改善、灌漑整備を通じた小規模零細農家(女性含む)に対する支援、非感染性疾患(NCDs)対策を通じたユニバーサル・ヘルス・カバレッジへの貢献など、インクルーシブ成長を促す事業も含まれる。

今後、経済成長のプロセスに、いかに貧困層を取り込んでいくことができるかがインドの持続可能な開発にとって大きな課題となるだろう。

それに対して、日本の援助がどの程度貢献することができるか。JICAの腕の見せ所といえるかもしれない。

 

参照:インド向け円借款契約の調印:インドの社会・経済のさらなる発展を総合的に支援

ジョージアの子供の貧困と社会保障に関する報告書をユニセフが発表

ユニセフは昨年末、ジョージア(グルジア)の子供の貧困と社会保障に関する報告書を発表した。この報告書では、同じ家計をパネルデータで5年間追跡調査を行い、所得のブレによる貧困ダイナミックス(貧困からの脱却と貧困へ再び陥ること)に焦点を当てて分析を行っている。

ジョージアでは多くの子供たちが貧困状態にあるか、常に貧困リスクのある状態で生活をしており、社会保障の重要性が増している。

報告書では特に、子供給付(Child Benefit)、出産保険(Maternity Insurance)、失業保険(Unemployment Insurance)、共働き世帯向けの保育サービスの拡充などが推奨されている。

 

参照:Child Well-being and Social Security in Georgia: The Case for Moving to a More Inclusive National Social Security System

ガーナが貧困層向け社会保障・雇用拡充プログラムを開始

ガーナ政府は欧州連合(EU)からEuro 31.6 millionの財政支援を受け、社会保障と雇用に関するプログラムを開始する(Ghana Employment and Social Protection: GESP)。実施期間は2016年から2020年までの4年間。

プログラムは4つのコンポーネントで構成され、社会保障システムの効率化と雇用制度改革に中央・自治体レベルで包括的に取り組む。

社会保障制度に関しては、特に貧困層や脆弱な生活基盤を持つ人々への裨益を狙っており、社会保障を通じた雇用機会の創出を実現したい構えだ。

 

参照:Ghana signs €31.6m employment programme agreement

インドでベーシックインカムが貧困削減に寄与

※追記(2017年2月14日):インドにおけるベーシックインカムの議論の動向を別の記事「インド政府がベーシックインカム導入に関心、財源に課題」でアップデートしました。あわせてご覧ください。

社会保障分野の調査・分析を専門とする英国のコンサルティング会社(Development Pathways)が、インドのベーシックインカムプロジェクトのインパクト評価を行った。

調査報告によれば、短期期間かつ低い給付水準だったにもかかわらず、案件の効果は大きかったという。特に、生活水準、栄養、教育のそれぞれの指標で大きな改善が見られたようだ。

インドには世界の最貧層の約半数が集中しているため、インドで社会保障をいかに運用し、貧困削減を達成するかで、世界の絶対的貧困を2030年までに撲滅することができるかが左右される。

今回の調査報告は、ベーシックインカムが一つの解決法となる可能性を暗示したものだ。


参照:The Basic Income Experiment in India

中国が貧困削減のために200万人を住民移転、2020年までに貧困撲滅へ

今年、中国は200万人の最貧層を農村部から発展著しい都市部へ住民移転することを計画しているようだ。さらに、2020年までには1,000万人の住民移転を行い、貧困撲滅を目指すとしている。

中国は1978年の市場開放以降、8億人を貧困から脱却させることに成功した。

しかし、「開発途上国」のカテゴリからは未だ抜け出せておらず、世界銀行は改革が不十分であると指摘していた。

現在、中国の貧困率は5%だが、人口にすると7,000万人。特に、これらの多くは農村部に居住しており、年間4万円(2,300元)で暮らしている。

今年3月、李克強(り・こくきょう)国務院総理は、貧困削減プログラムへ43%の予算増を約束した。

2020年までに残り7,000万人を貧困ラインから上へ押し上げる構えだ。

 

参照:China to relocate 2 million people this year in struggle to banish poverty

ソマリアで旱魃、国連が緊急支援を要請、プントランドとソマリランド

ソマリアを旱魃が襲っている。プントランドやソマリランドの複数の地域では、60~80%の家畜が失われているようだ。

畜産を生活の糧としている多くの世帯にとって、収入・食糧の両方の観点から危機的状況となっている。

国連の発表によれば、これらの地域で38.5万人が危機的な食糧不足に直面し、130万人が同様の状況に陥るリスクを抱えている。

これらを合わせると、ソマリア国民の実に37%(170万人)がすでに影響を受けている計算となる。

 

参照:Somalia: UN calls for urgent action to support drought-hit communities

トルコで貧困削減と不平等の是正が進む

トルコの開発大臣の談話によれば、貧困削減と不平等の是正が急速に進んでいるようだ。

顕著なのは、富裕層の所得に伸びは見られない一方、かつて貧しかった人々の所得が改善傾向にあることだろう。

トルコでは過去13年間で、4.3ドル以下で生活する人々の数が2,000万人から125万人まで減少し、1,800万人の所得水準に改善が見られたようだ。

2年前と比較すると、家計の所得は平均12%改善し、最貧層25%に限れば、18%の所得上昇となっている。

 

参照:Income of rich dips, spending by poor rises

ナイジェリアが石油価格を大幅切り上げ、物価上昇から貧困層を守れるか

ナイジェリア政府は、石油供給量が不足していることを受け、補助金の大幅なカットを決定した。実質的に石油価格を3分の2切り上げる政策だ。

石油価格は11日に86.5ナイラ(約50円)だったが、12日には145ナイラ(約80円)まで急騰。

直近では、石油供給量が減っていたことを受け、ブラックマーケットの小売価格は250ナイラ(約140円)まで上昇していた。

この発表の数日前、ナイジェリア政府は、次年度の貧困層向けの社会保障予算の拡充を発表しており、石油補助金のカットとあわせて貧困層の負担を減らしたい構えだ。

一方、貧困層はその日の厳しい生活を営んでいることが多く、石油価格の値上がりは、足元の生計維持に大きな影響を及ぼしそうだ。

今回の政策に関し、社会保障制度が貧困層に対するセーフティネットとナイジェリア政府がみなしているのであれば、どのくらい迅速に、現行の社会保障制度の給付金額を物価上昇に連動する形で増額できるかがポイントとなる。

給付金に頼る生活をしている貧困層にとっては、今日から1日1日が大きな負担となるだろう。

 

参照:Nigeria fuel price rises as gov’t scraps subsidies

ガーナの社会保障プログラムが電子送金を導入

ガーナ政府は、現金給付プログラム(Livelihood Empowerment Against Poverty: LEAP)の受給者146,074世帯が銀行間送金システム(GhIPSS)への登録を完了したと発表。

LEAPは全国の貧困世帯を対象に、定期的に現金給付を行うプログラム。生活水準の向上と教育・保健サービスへのアクセスを保障することで中長期的な貧困脱却を目的とする社会保障制度だ。

GhIPSSは2007年に中央銀行が設立した銀行間送金システムで、電子送金・振込(E-Payment)を一元管理するもの。

生体認証など最新技術を駆使したシステムで、社会保障の不正受給を防止したり、支払いにかかる事務コストや受給者の給付にかかるコストを削減することが期待される。

 

参照:LEAP Beneficiaries Enrolled On Interbank Payment System