生活環境や日々の気付きなどについて書きます。
タグ アーカイブ: 私情信条
土曜日のカレーライス
グツグツと立ち込める白い湯気。
2年ぶりにカレーを作る土曜の昼下がりによみがえるのは、遠い記憶の蜃気楼だった。 さらに読む
スイスの秘密の郵便
スイスに住んでみるとふとした瞬間に感動を覚えることがある。それは他の誰も気付かない些細なものかもしれない。
その土地に住んでみてはじめてわかる小さな発見。旅の途中に立ち寄るだけでは気付かない、些細な発見に心打たれる瞬間がある。
そんな小さな小さな日常の驚きが、旅人をその地に住もうと誘い込む。他人にはわからない、自分だけの些細な感動が記憶の1ページとなる。
スイスに住んでみると、洗練されたサービス産業にいつも感動を覚える。時間の正確さ、対応の丁寧さは日本と比較しても引けをとらない。
郵便物がしっかり届く。それだけでも感動を覚える旅人も多いだろう。日本を除けば、郵便が丁寧かつ迅速に手元に届くことは稀である。だが、それだけではない。
ふと郵便受けを開けたとき、真っ白な表紙が目に飛び込む。手に取ってみても宛名が正しいこと以外はわからない。丁寧に包まれた封筒を開けてはじめて中身がわかる。
何のことはない。無料の雑誌が送られてきただけである。それにもかかわらず、表紙が見えないように真っ新な白紙が一枚。
スイス銀行に代表されるように、スイスでは顧客のプライバシーを最大限に守る文化が根付いている。そんな心意気が感じられる郵便。
秘密の手紙は今日も郵便受けに届いている。
もうすぐ船出です
以前にもお伝えしたのですが、クラウドファンディングのReadyforをThe Povertistが後援することになっています。
両者間で金銭のやり取りも契約書もない緩やかな関係です。 さらに読む
キミの背中はキミが思うより大きい
俗にいう「中二病」のようなタイトルでお送りします。
仕事をしていると、「もうやめてしまいたい」と思うことが2日に一度くらいあります。 さらに読む
なぜオンラインマガジン始めたのか、よく聞かれるので答えます
2014年3月、途上国の日常を連載するために
「そろそろ途上国駐在になるな」という気配がしました。 さらに読む
100%正しい情報を誰も求めていない
国際協力や国際開発の世界で仕事をしている人にとっては、アカデミックな論文や文献レビューを踏まえた報告書などに基づいて仕事を進めることが一般的となっている。
そういう意味では、政策と研究の垣根が最も低い業界の一つなのではないだろうか。 さらに読む
国連・ドナー・コンサルタントの怪しい関係
仕事の一部でよくあるのは、外部機関からのコメント依頼への対応。
たとえば、イギリスのODAを担うDFIDから案件を受注したコンサルタントが、DFIDへ提出する前にILOへコメントを求める。 さらに読む
今日も僕らの頭上ではドリルが鳴りやまない
我が社では改修工事が10年くらいかけて行われている。
日本の感覚からすると驚くのは、週日の日中に工事が行われていることである。 さらに読む
ジュネーブの桜並木
日本から遠く離れたスイスにも日本と同じ春の香りがある。街が桃色に染まり、レマン湖の霧がオレンジ色に晴れていく。
日本の春が日本より先に、アルプスの麓へやってくる。レマン湖の畔に佇むジュネーブ。毎年3月になると、石畳の街並みに不釣り合いな桃色の花が咲き乱れる。
1919年の国際連盟設立から数え、約100年。日本とジュネーブの繋がりも、世代を超えた歴史となってきた。国際連合欧州本部のあるナシオンには、日本から寄贈された鐘と桜並木がある。
千鳥ヶ淵の桜並木や桜坂には到底及ばない。しかし、遠い昔から日本がここジュネーブにいた確かな歴史の足跡が、毎年この季節になると旅人の心を打つ。
4月上旬に差し掛かるころには、桜吹雪となり、夕日に葉桜が美しくなびく。その風景は、日本の春の風情すら感じさせる。