人生の勝算
¥300
編集担当の箕輪さんのエピローグが、この本の精神を言い表している。天才編集者と言われる箕輪さんが天才と言われる所以なのだろう。しかし、この本で語られていることを踏まえれば、箕輪さんでさえ「後天的」な天才なのだと思う。
「前田さんが『4日間一緒の部屋にいたら本一冊作れますね』と言ってきた。俺は、せっかく出張でゆっくりできると思っていたのに、本作らせるんじゃねぇよと思った。前田裕二の鬼気迫る生き方に巻き込まないでほしいとも思った。でも、彼との仕事は、最高に楽しいから仕方ない。」
その他にもこれからのコミュニティ作りや仕事の仕方について、様々な発見があった。前田さんの凄いところは、「ああ、そう思っていた」という共感を、言葉にできるところ。メモひたすら取り続け、日常的にストーリーを整理していることが手に取るようにわかる。その他の気になった言葉はこちら。
「(スナックの)ママは若くてきれいな女性である必要はなく、例えば一緒にお酒を飲んだお客より先に潰れても良いし、どこか頼りなくても良い。プロフェッショナルとしては、粗だらけです。でも、その未完成な感じが、逆に共感を誘い、仲間を作ります。みんなでこのママを支えようという結束力が生まれ、コミュニティが強くなります。」
「強いコミュニティにおける二つ目のポイントは、「常連客の存在」です。スナックは、 一見 さんが入りにくい雰囲気になっていることが多いです。これは、スナックというビジネスモデルが、長年通っている「常連客」によって成立しているからです。」
「本来はただビールを買って飲むだけで終わるお客さんが、運営側が開催するイベントに参加し、運営の悩みを聞き、皆で余白を埋めていく。一度そうやって運営側に回ってしまったら、気付いたら顧客として大ファンになっています。これがコミュニティの本質です。」
「消費スタイルが、単なるモノ消費・コンテンツ消費から、ヒト消費・ストーリー消費に移ってきているのです。」
「なぜ世界的なネットサービスがアメリカからばかり生まれるのか。それは、アメリカ人が、ルールを作ることに長けているからです。・・・僕たち英語圏の外の人間は、とにかくルールを作るところから始めないと、グローバルでは勝負できません。」