正しいことだけを言っていても政治は動かない

橋下さんと本田さんの対談の中で深く頷いた部分があったので共有させていただきます。これはもしかすると、国際協力全般には当てはまらないことかもしれない。以前にも書きましたが、ILOで仕事をしていると政府だけでなく、労働者の代表や使用者の代表の三社の間に立って立ち振る舞わなければならず、政治力や対話力が仕事を進めていく上で極めて重要となっています。橋下さんの言葉を借りれば、論理的に正しいことを主張し続けるだけでは仕事は進まない場面が極めて多いです。僕らは政治家ではないけれど、極めて政治家的な素養が必要な場面が多いとこれを見て感じました。 さらに読む

使える報告書の作り方

開発途上国の政治家と実務家に使ってもらうにはどうすべきか」悩みは尽きないという話をした。「あなたの論文が読まれない理由」を書いたきっかけも、どうしたら科学的根拠を政策へ使ってもらえるか、という作り手としての問題意識からだった。色々な答えがあるだろうが、対象国の政治サイクルや実務家のタイムラインに乗せることが、報告書を使ってもらうための最低限の条件だと思う。それに関連していくつか身の回りの事例を振り返ってみる。 さらに読む

政治サイクルとインパクト評価のタイミング

ベトナムでは国会に法案を提出する際に、その法案を実施した際にどのような社会経済的な影響があるか説明する報告書の提出が不可欠となっている。これを当該国の実務家はインパクト評価と言っている。もちろん、学術界でいうところのインパクト評価とは手法の厳密さなどに差異はあるが、求めているアウトプットは似ている気がする。いずれにせよ、どこの国の法案審議でも同じような要件があると思う。 さらに読む