携わっている仕事について書きます。
タグ アーカイブ: 業務日誌
インドネシア社会保障審議会との対話
インドネシアには社会保障審議会(DJSN)という機関がある。日本の厚生労働省に設置されている社会保障審議会は社会保障政策に関する諮問機関だが、インドネシアの社会保障審議会は労働省ではなく、人間開発調整省に置かれている。そこには政府の代表として財務省、労働省、保健省、社会福祉省が参加するようになっていて、議長は調整省出身の方がなる慣習である。政労使の代表に加え、専門化枠も含めると、15人の委員から構成される。 さらに読む
法令分析からドキュメンタリー制作まで
今日は朝から在宅勤務をしていた。午前中は、ずっと手が回らなかった労災保険の案件に着手した。インドネシアの労災保険の詳細な制度設計を、最新の法令を読み解くことから始め、まとめのマトリックスを作る作業だ。法務省のウェブサイトで法令を探し、ダウンロードし、それをDeepLで英語に翻訳する。社会保障の最低基準(102号条約)に対して、インドネシアの社会保障制度がどう対応しているかを検証する。 さらに読む
AIがジェネラリストの新時代の幕を開ける
Xのタイムラインに流れてきた一文が目を引いた。「ジェネラリストは中途半端で何も成し遂げられないと思われがちだったが、AIによって時代は変わった」と。思い起こせば、今日の帰り際に似たような会話をした。 さらに読む
学位に価値を置く国の問題点
インドネシアは学歴社会で、行政官の昇進に学位が要求されてきた。研究キャリアの人が行政官をやっている。意思決定の前に学術研究を外注して実施しなければならないとなっていて、それによって意思決定が遅く頻度も少ない印象。何書いて良いかわからず、外注先の若手研究者から私に相談があって、私が書いたレポートの引用箇所を示したり、コピペで使えそうなPPTを渡したりしている。何でもかんでも学術・研究・エビデンス好きな人で固めると、実務の停滞が顕著になってくるのを現場で見ている。 さらに読む
インドネシアの年金改革:課題と解決策の提案に関する包括的分析
はじめに
私は、国際労働機関(ILO)インドネシア・東ティモール事務所の社会保護プログラ ム・マネージャーとして、最近、インドネシアにおける年金改革の差し迫った必要性についての 分析を発表した。 同国は急速な人口動態の変化と不十分な年金適用に直面しており、私たちの分析は、今後の課題と潜在的な解決策について重要な洞察を提供することを目的としています。 さらに読む
課税から再分配へ:国民皆年金がインドネシアの中産階級を救う可能性
※この記事は、先日取材を受けたインドネシアのメディア対応するために作成したものです。
ここ数日、2018年から中間層の住民が850万人以上減少したというニュースが流れている。インドネシア大学(LPEM)の調査では、経済的に安定しているとされる階層は5,200万人で構成されているが、その一方で、その下の経済階層である中間層になり得る層や社会的弱者は実際には増加しているとしている。
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国連職員の仕事と夏休み、今後のキャリア、地元士幌町の政治、AI
ユーチューブライブ「2024年7月13開催の国際協力の裏側#5 国連職員の仕事と夏休み、今後のキャリア、地元(士幌町)の政治、AI」の文字起こしをもとに書いた記事です。 さらに読む
インドネシア労働省に呼び出しを受けた話
金曜日。労働省から来週の面談依頼が入った。社会保障を管轄する局長からの連絡で、国際労働機関(International Labour Organization:ILO)の雇用保険改革に関する分析と提言について聞きたいとのことだった。 さらに読む
インドネシアの年金改革と国際会議の意義
インドネシアでは、年金改革が進行中だ。公的年金改革については、労働省と財務省ラインで仕事をし、大学での専門作業も行っている。一方、金融庁(OJK)は別途、企業年金の担当官庁となっている。 さらに読む