携わっている仕事について書きます。

タグ アーカイブ: 業務日誌

国際協力の現場が会議室の場合

国際協力を志す人にとって、そのイメージはど田舎へ出張へ行って、インディ・ジョーンズのような冒険的な要素が日常に転がっている場面である。かくいう私もかつてはその一人だった。翻って現実は、現場がランクルでしかいけない場所にある場合と、現場が会議室の場合がある。 さらに読む

ILOの刊行物の作り方

物書きに追われている。3本同時進行で書いていて、そろそろ潮時。ある程度の質で時間通りに成果を出していくことが大切なので、期限を決め、業者と事前に契約しておく。業者と言っても、編集者とデザイナーの二件。ハウススタイルの適用と文書校閲をメインに毎回外注している。 さらに読む

ILOとUNICEFの組織と働き方の違い

元ILOの知人がUNICEFで働いていて5年ぶりに話した。興味深かった話のまとめ。 さらに読む

インドネシアの年金改革が佳境な訳

インドネシアは向こう百年の命運を懸けた帰路にある。20年後の2045年までに世界4位の経済規模になることが予測される。経済規模が大きい小さな政府か、政府支出の多い福祉国家か。省庁は今日がラマダン開け前最終日で仕事納め。午前中一杯、年金改革の方向性を議論。 さらに読む

インドネシアと日本の選挙の比較

インドネシアは来年2月に大統領選を控えている。全国各地の至る所で政治的なパレードや集会が開かれている。私は選挙の専門家ではないので、庶民目線での感想になるが、かなり自由に選挙運動が行われている。 さらに読む

インドネシア人の遅刻癖と言い訳

時間を守らないインドネシア人の特性は日本人駐在員の間では誰もが知るところだが、今朝のスタバ。開店時間6:30に対して、7:15を過ぎても店内はもぬけの殻で、朝食のスコーンは27度の店外に配達されたまま平積みとなっている。 さらに読む

失業した2人のタクシードライバーの人生

ラマダン最後の週末。ジャカルタの多くのレストランは日中は閉店状態。グラブタクシーのドライバーは英語が達者。北スマトラのメダン出身のバタック人でキリスト教徒、ジャカルタ育ち。このプロファイルの人教育水準が高く英語が達者。大手ダナモン銀行で融資先の監査を担当していて、全国各地を出張する日々だった。コロナ禍になって、銀行が彼の高い給料を支払えなくなり、解雇。解雇時に義務付けられている退職金を受け取り、退職。退職金は給与10ヶ月分だった。 さらに読む

インドネシア人の3つの特性

ジャカルタには東南アジア最大の縫製市場がある。ラマダン開けが近づくと日本の年末商戦のように全国から新しい服飾を買いに人がやってくる。普段は縦横無尽に歩き回るのら猫も、踏み潰されまいと路肩で大人しくしている。 さらに読む

安易な政策提言には気を付けて

研究者や国際機関で働く人とレポートを書いていて思うのは、みんな安易にRecommendationし過ぎること。研究者は分析手法や着眼点や結果を重視し、論文の最後に「ついで」にRecommendationをつける。国際機関で(特に現場に遠いとこりで)働く人は、対象国の状況を考慮せずにRecommendationを安易に書く。 さらに読む

失業給付の自己都合退職の給付制限撤廃について

転職を促すため、自己都合退職の給付制限期間(2カ月)を撤廃し、会社都合と同様に7日の待機期間後に支給開始の方針。これは保険料率の増加要因です。過去2年で失業給付部分の保険料率は0.6%から1.2%へ引き上げられています。既に織り込み済みか、更に増額するのでしょうか。私もインドネシアの政労使と同様の議論を日々しています。保険料と給付はトレードオフなので、政府は良い側面(給付増等)のみ説明するのではなく、それによって保険料がどのように変化(増額幅)するかも同時に示すことで、国民はメリット・デメリットを天秤にかけられます。

そして、こうした情報を政府や審議会が公開するのであれば、その情報を世の中に周知するのはメディアの役割と責任です。インドネシアのメディアがこうした技術的な議論を正しく報道しないため、メディアの方をトレーニングしてほしいと私にも依頼があります。しかし、記事にならない研修にメディア関係者が関心を示すはずもなく、実施していません。おそらく日本でも同様の状況なのかと思います。

いずれにせよ、日本で何がどのように議論されているのかは、東南アジア諸国にとって良い教材なので、私も勉強させてもらっています。そして、よく使わさせていただいています。