失業給付の自己都合退職の給付制限撤廃について

転職を促すため、自己都合退職の給付制限期間(2カ月)を撤廃し、会社都合と同様に7日の待機期間後に支給開始の方針。これは保険料率の増加要因です。過去2年で失業給付部分の保険料率は0.6%から1.2%へ引き上げられています。既に織り込み済みか、更に増額するのでしょうか。私もインドネシアの政労使と同様の議論を日々しています。保険料と給付はトレードオフなので、政府は良い側面(給付増等)のみ説明するのではなく、それによって保険料がどのように変化(増額幅)するかも同時に示すことで、国民はメリット・デメリットを天秤にかけられます。

そして、こうした情報を政府や審議会が公開するのであれば、その情報を世の中に周知するのはメディアの役割と責任です。インドネシアのメディアがこうした技術的な議論を正しく報道しないため、メディアの方をトレーニングしてほしいと私にも依頼があります。しかし、記事にならない研修にメディア関係者が関心を示すはずもなく、実施していません。おそらく日本でも同様の状況なのかと思います。

いずれにせよ、日本で何がどのように議論されているのかは、東南アジア諸国にとって良い教材なので、私も勉強させてもらっています。そして、よく使わさせていただいています。