安易な政策提言には気を付けて

研究者や国際機関で働く人とレポートを書いていて思うのは、みんな安易にRecommendationし過ぎること。研究者は分析手法や着眼点や結果を重視し、論文の最後に「ついで」にRecommendationをつける。国際機関で(特に現場に遠いとこりで)働く人は、対象国の状況を考慮せずにRecommendationを安易に書く。

最近、政府関係者から耳にしたことは、「経済分析を聞かされて、現行法の下で分析結果はどのように政策にはんえいできますか?と問うたところ、法律は把握していない、言われて話が終わった。」という話。もう一つは、「分析は素晴らしいかもしれないが、労働者や使用者は納得しないと思うがどうか?と問うたところ、私の仕事は分析に基づいた提言だと言われて困った。」という話。

この手の話はよく耳にする。

現場で政策を作って労働者や使用者から怒鳴られながら説明しなければならない官僚にとっては、Recommendationが彼ら彼女らに受け入れられるかが最も重要であり、上記の研究者や国際機関のよくあるアプローチとは優先順位が異なる。

現場の解決策としては、研究者や現場から遠い国際機関の人の特性を理解した上で、仕事のどの部分を分担してもらうかをよく考えること。例えば、私の場合は、Recommendationの執筆や会議での発言をお願いすることは少ないです。