わたしは家政婦を雇うべきか?
偉そうにいつも色々書いていますが、国際協力で生計を立て始めてから開発途上国で長期駐在したことがありません。ケニア4ヶ月、カンボジア6ヶ月を除けば、先進国の本部勤務が長いです。本部ベースで2週間程度の出張を繰り返すパターンがこれまでは多かったわけです。
知らない人が自宅に出入りするのに抵抗も?
途上国駐在をしている知人を見ると、かなり多くの方が家事労働者(いわゆる家政婦)を雇っているようです。民間企業の駐在員の場合は更に待遇が良いので、さらにこの傾向は強いのではないでしょうか。
来年以降は途上国駐在を考え始めているため、「家政婦を雇うべきかどうか」が最近の個人的なホットトピックです。「月給1万円程度で掃除、洗濯、食器洗いをやってくれるので、雇わない手はない」という意見は多いです。
一方、知らない人が自宅に出入りすることに結構抵抗があるので、ためらう人も多いです。
私はどちらかと言えば、後者です。
雇用主の経験値もほしい
また、インフォーマル経済で生活する人々への社会保障政策を仕事としているため、ケーススタディとして家政婦を雇用する経験も必要かと考えています。
多くの駐在員は安月給で家政婦を雇い、社会保障カバレッジを提供していないでしょうから、彼女たちはたいていインフォーマル・ワーカーに甘んじています。
家政婦を雇用して、少なくとも医療保険・年金・失業保険・労災保険料を負担することで、インフォーマル・ワーカーへの社会保障カバレッジの好事例をつくりたいとも考えています。制度自体が無ければ、仕事を通じて政策提言を行う際の好事例にもなるかもしれません。
カンボジアの半年で何でもできるようになってしまった
ただ、私の場合、身の回りのことは抵抗なく自分でできてしまうので、お手伝いさんの仕事はあまりないのです。巨大な邸宅に住まない限り、掃除も一人でできそうです。
私のキャリアの一番最初に半年間カンボジアで生活したことがありました。カンボジア人家族が貸し出していた2ベッドルームの部屋を月額300ドルで借りていました。今はたくさんのアパートがあるようですが、2009年当時、外国人が暮らすアパートはほとんどなく、これが職場の最寄りでは最低価格でした。
狭いトイレにシャワーが付いていて、トイレで水浴びする環境。洗濯機が無かったので、毎週土曜日はトイレで洗濯物の踏み洗いをし、屋上の物干し「はりがね」に掛けて干したものです。
もちろん、今のプノンペンのようにイオンが進出していたり、外国人向けの綺麗なスーパーマーケットもありませんでした。毎週土曜日は日の出とともに起床し、カンダル市場というローカルの青空市場で生鮮食品を買っていました。
また、部屋には窓が付いていなかったため、1週間で砂ぼこりが床を覆うのが悩みでした。掃除機などないですし、砂ぼこりに対しては無力ですから、2ベッドルームの大きな部屋を週一で雑巾がけしていました。まるで一休さんのように。
窓は鉄格子だけでガラスも網戸もありませんでした。ヤモリは入り放題ですし、特に「ゴキブリ大量侵入事件」の時は発狂しましたね。大雨になると大挙して避難してくるんです、彼ら。この話はまた今度。
家政婦を雇って雇用主になる
だらだら書いてしまいましたが、振り返ると、カンボジアでの一番最初の経験が、「週末に一日かけて家事をやる」という私の日常を作り上げたのかもしれません。
まとめると、私にとって家政婦を雇うメリットは、「仕事のケーススタディとして雇用者としての経験を養うこと」だけかもしれません。
要検討事項として棚上げしておきます。