国際機関の曖昧な応募要件の闇
今夜は国際機関の採用に関する曖昧さについて書いてみましょうか。
国連機関の公募を見ると”International experience XX years”という応募要件が必ずあります。応募要件ですから、これを満たさなければ書類選考時に足切りになるわけです。
国際経験というなんとも曖昧な定義で書類を読まれるかどうかが決まるなんて不公平な感じがしませんか。具体的に私も何度か経験・見聞したことがあります。
例えば私はJICAで6年の勤務経験があります。そのうち4年は東京本部で2年はワシントンDC駐在です。東京では2年はアフリカ担当として6回ほど出張へも行っていましたし、残りの2年も欧米の研究機関との共同研究をやっていました。
私のJICAでの経験は「国際経験6年」とみなされるのでしょうか。私の経験則では半々です。JICAをよく知っている人は国際経験6年と言うでしょう。しかし、欧米人はほとんどJICAを認知していませんので、彼らは国際経験と認めないでしょう。
この結果、私は国際経験が乏しいとして足切りされるか、経験不足につきランクの低い契約となるかもしれません。
では、欧米の機関での経験は国際経験とみなされるのでしょうか。私見ですが、JICAでの経験よりGIZやDFIDやUSAIDでの経験の方が欧米人にとっては国際経験とみなしやすいのだと思います。採用担当が知っている機関かどうか。アホらしい話ですが、人間が審査している以上、起こりうることです。
国際機関が欧米の機関と言われて久しい理由はここにあります。西洋人に馴染みのない機関での経験は採用時に評価されにくい。それが実態なのではないかと最近は思います。
少しダークサイドに光を当てすぎましたね。とりあえず中の人になる重要性はこういうところにもあります。