海外駐在を生き抜くスキル
早いものでバンコクの2週間が去っていく。
この業界の定説として、バンコクは最高だという説がある。これがまだ良くわからない。
たしかに、ジュネーブと違って、土日もスーパーは開いているし、仕事帰りに八百屋が開いている便利さはわかる。無愛想なワシントンDCのサービス産業もなく、一日一回嫌なことを店員に言われる苦労もない。そう考えれば、精神的なストレスはなく、楽に暮らせるという意味においてここは天国なのかもしれない。
ただ、人口六千人の北海道の田舎町で育った私にとっては、エンタメの数も、レストランの数もあまり重要ではない。
振り返れば、高校卒業までの趣味と言えば2つしか思い浮かばない。日曜三時半からの競馬中継を見ること。朝五時に起きて渓流釣りに行っていたこと。
その程度の趣味で十数年過ごしたことが今の「趣味」に繋がっているのだろうか。一人でボーッとしたり、一人で飲みに行ったり。そういう時間は自分で作ろうと思えば世界のどこでも作ることができる。
ネットワーキングが大切と言う人は多い。コネ社会なので一理ある。ただ、好き嫌い、得意不得意はある。私は田舎者なので人見知り。
大勢でガヤガヤするとあれこれ気を遣ってしまう田舎仲間は意外に多いのではないだろうか。この業界、どこへ行ってもマイペースで、自分の時間を楽しめるスキルも大切なのかもしれない。