大手と中小の国際機関の仕事の仕方の違い
政策分野が狭くなってくると専門家に数が少なくなるため、外部専門家とコンサルタント契約をする機会が減り、ILO職員自ら文書作成に当たることが増える。他の国連機関と仕事していて感覚の齟齬があるのはこの点。コンサルタントを雇ってコメントするのが仕事だと思っている人が多いことに気付く。
資金が潤沢にある政策部門は、外注を増やすことで政策文書の量産体制を整える事が多く、それも一種のマネジメント戦略であって否定しない。ただ、こればかりやっていると、専門性が職員に残らず、資金が少ないときや納期が短いときに職員だけで納品する能力がなくなる。
こういう組織体制は、外注業者と何ら変わりなく、存在意義が薄れる。外注慣れしている人は、ブレインストーミングに多く時間を割き、スピード感を犠牲にして本質とかけ離れた議論に時間を割く傾向にある。ブレインストーミングとチーム内ワークショップと外注が多い部門はいずれ存在意義を問われる。
まず、納期を設定する。逆算して必要最小限のことだけを実施する体制と計画を立てる。納品に関係のない議論や意見は極力排除する。会議前には叩き台を作る。たたき台を作るチームは小さければ小さい方が良い。