カメルーン駐在員に聞いた地元の生活と産業

カラフルな布屋街と聞くと、どういう景色を想像するだろうか。南国の島とビーチ、あるいは、抜けるような青空と地中海の古都だろうか。10月からお送りしている特集「カメルーンの色彩」では、アフリカンプリントを切り口にカメルーンの日常を紹介している。アフリカでよく見かけるカラフルな衣服の裏側にはどのようなストーリーがあるのだろうか。連載中でカメルーンに駐在する伊藤早紀さんに話を伺った。

プロフィール|伊藤早紀

国際協力機構(JICA)カメルーン事務所駐在員。2010年、JICA入構以来、日本の開発援助業務に従事。タンザニア事務所駐在、開発パートナーとの援助協調、ガーナ国担当を経て、2014年10月より現職。英国ウォーリック大学政治学士、グローバリゼーションと開発修士。

「匠のワザは弟子入り修行で習得する」

— 前回の記事で驚いたのですが、仕立て屋がカメルーンでは男性なのですね。

たしかに、カメルーンの仕立て屋さんは女性ももちろんいますが、男性の方が明らかに多いですね。

— 縫製は日本であれば女性の仕事というイメージが強い気がしますが、奥さんは何を?

私の行きつけの仕立て屋さんは、奥さんが小物作成係をやっていて旦那さんが服を仕立てているみたいです。

— どこで技術を磨くのでしょうか。カメルーンのインフォーマルセクターで手に職を身に着けるのか気になります。

彼のほかに見習いかアシスタントのような男性がときどきいます。おそらく、技術は弟子入りして見て覚えるのかもしれないですね。

— 目で盗め!日本の寿司職人みたいですね。

そうですね。

— もしかして、「女性は家を守る」、「男が外で稼ぐ」という文化があるのでしょうか。

道端を見ていると、ごはん屋さん(バケツに入ってるごはんや街角で魚を焼いてるお店)や小さなテーブルを出しての小売り(ピーナッツ、アメ、ビスケット、バナナなど)は圧倒的に女性が多いですね。

— インフォーマルセクターと一括りに言っても技術のあり・なしで生活は違いそうですね。

たしかに技術系は男性が多い印象です。そういえば小さい子供を横で遊ばせている小売りの女性が多い。やはり子供がいる女性は子供から目を離して集中する必要がある技術系の仕事で修行するのは難しいのかもしれませんね。

— カメルーンの産業も切り口としては興味深いです。縫製産業があるということだけでも驚き。

商業の話は、担当してるカイゼンプロジェクトがまとまったら書こうかと思います。先日、従業員22人のオーガニックジュース工場を訪問したりもしたけれど、中小企業で頑張る起業家の世界も色々なストーリーがあっておもしろい。「インフォーマルセクターを卒業して登記したものの、税金を取られるようになって大変なだ」とか。

— 次の記事楽しみです。

次は言語について書いてみようかと思います。

— 言語・・・?公用語はフランス語ですよね。

あまり知られてないけれど、実は英語も公用語です。英仏両方公用語のユニークな世界をご紹介します。

— 楽しみにしています!

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