世界銀行が「開発途上国」カテゴリをデータベースから削除

「開発途上国」が消える日

世界銀行が発表した2016年の世界開発指標(World Development Indicator)から大きく変わった点が話題を呼んでいる。開発途上国(Developing Countries)と先進国(Developed Countries)のカテゴリが消えたのが一番の驚きだ。この背景には、以下の2つの理由があるようだ。

  • 時代とともに開発途上国というカテゴリが意味をなさなくなってきたこと。
  • 持続可能な開発目標(SDGs)が開発途上国だけでなく、全ての国を対象としている以上、「開発途上国」というカテゴリをあえて維持する意味がなくなったこと。

そもそも、開発途上国の定義が曖昧だったことが今回の変更の大きな理由にあると思われる。事実、「高所得国」から「低所得国」といったカテゴリが今後使われることとなり、経済規模の大小に関する分け方は維持される。また、このほかにも、SDGsの採択と同時に昨年公開された1.90ドル貧困ラインについても、データベースに新たに加えられている。

WDIをこれまで使ってきた多くの研究者や実務家泣かせのこの変更。SDGs時代に即した変更に私たちも適応していかなければならない。


参考:The 2016 edition of World Development Indicators is out: three features you won’t want to miss

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