ジャカルタ勤務は感染症に掛かりすぎる環境
二カ月に一度の体調不良(感染症)にやられ、この国で体調を維持することの難しさを感じる。これで4回連続同じ周期で飛沫感染しており、最早、感染しても大丈夫な身体作りの方が大切な気がしている。
依頼を受けていた年金改革のペーパーをそろそろ何とかしなければと考えていると、真夜中に統計の夢を見て目が覚める。結局諦めて朝4時半の暗闇の中でパソコンのスイッチを入れる。
東南アジアの高齢化について調べていると、インドネシアはいよいよ本気にならなければまずい時期に来ているのがわかる。欧州諸国が100年近くかけてAgeingからAgedへ移行したのに対し、アジア諸国は20年前後で一気に高齢化社会へ突き進む。
インドネシアも例外ではなく、ベトナム同様21年の猶予しかない。ベトナムがAgeing社会となったのは2015年で、その直後の年金改革に私は携わっていた。インドネシアは2023年にAgeing社会となる。
国が変わって同じようなフェーズで年金改革に携わっているのは奇遇だろうか。それにしても、当時のベトナムの関係者の本気度とインドネシアの関係者の温度差が顕著で驚く。インドネシアの関係者は、年金制度改革に関して技術的に理解できている人が数名しかいない。
その中に入って私も議論し、提言するわけで、責任の重さを感じる。同時に、目の前にいるごく少数の官僚がこの国の未来を握っている。この国の誰もそうは考えないだろうが、人口推計と年金制度を見比べている私たちからすれば、一刻の猶予もないと感じる。
舵の操作を誤れば、20年後にはAged社会となり、大量の高齢者が無年金で退職することになる。