AIがジェネラリストの新時代の幕を開ける
Xのタイムラインに流れてきた一文が目を引いた。「ジェネラリストは中途半端で何も成し遂げられないと思われがちだったが、AIによって時代は変わった」と。思い起こせば、今日の帰り際に似たような会話をした。
ILO事務所では上司と部下が同じ専門性を持たないことがほとんどのため、上司が部下に指示をする場面が比較的少ない。スペシャリストの集まりがILO事務所と考えてもらえればよい。みんな異なる専門性を持っていて、分野が狭くなればなるほど、他人が口出ししにくくなる。
ただ、折に触れて書いているように、長くILOにとどまって仕事を続けたいと思えば、ワンマンバンドで事業経営しなければならない。やることは多岐にわたり、企画、資金提供者への提案、資金調達、人事・採用、チーム編成、調達(業務委託先探し、調達書類作成、選定、決裁起案等)、渉外・営業(クライアントへの技術支援)、広報、事業評価、年次報告書作成、財務管理などである。これらを全て一人でこなす。部下がいれば部下に任せればよいが、部下を雇うための経費は自分で外部資金を調達しなければならない。
私の場合は、所長直属の部下という位置づけだが、日常的に事業について話し合う機会はほとんどない。人事的な関係では、年初の目標と年末の業績評価をオンライン上で一往復するだけである。実際、お互い忙しく外勤していることも多いので、日常的に顔を合わせる機会が少ないことも理由だ。多く見積もって、週に一回ほど、トイレに行く途中に顔を合わせるくらいだろう。
それではどのように私の活動を報告しているかというと、LinkedInやXで何かあるごとに投稿するようにしている。クライアントと仕事をしたときは必ず一枚写真をとり、内容を添えて投稿する。こうすることで、「あいつ何やってるかわからない」という状態にはならなくなる。メールボックスを開けて長文を読むよりも、ふとした瞬間にスマホのタイムラインに流れてくる文章の方が目に付くわけだ。
先週、労働組合を招いて失業問題についてヒアリングを行った。会議のあと、いつものようにLinkedInへ短文を投稿したわけだが、これを上司が見たらしい。今日、偶然顔を合わせた時に「あれはよかった」という話をしていた。
LinkedInでは労働組合と会合を開いたという事実と写真のみ掲載し、詳細はYouTubeへ10分ほどの報告動画を投稿をし、それをNottaで文字起こしをし、Claudeに要約してもらい、ブログ記事として投稿した。LinkedInへ動画とまとめ記事のリンクを貼って投稿するまでに要した時間は30分程度だった。動画で話して、それをAIを使ってテキストにするということが画期的だったようだ。
AIを然程使いこなしている自負はないが、冒頭の一文に共感するだけの実感はある。専門性を持ちつつ、ゼネラリストのマルチタスクをこなすことができれば、新時代の働き方を実現できる気がする。