バンコクの昼と夜の格差社会

金曜の十ニ時。満月が照らす街は、昼間の顔を隠し、黄色の光が足元から顔を照らす。

バンコクの街は、何時になってもグラブタクシーがいる。ジュネーブでの暮らしは、十二時を回ると高いタクシーが笑顔で待っていた。ここでは時計をポケットにしまって気絶するまでグラスの酒と向き合える。

夜の街は、昼間のバンコクと異なり、金のあるものだけが街を笑顔で徘徊する。

オフィス街は闇に包まれ、繁華街もATMの明かりがあるだけ。早寝早起きの国民性は、経済成長にまだ負けていない。