自信
5日間の夏期講習を終えて残ったのは、自信を失った自分と、これからどうすべきか迷い始めた自分だけだった。
予定していた滞在期間を短縮して、追加料金を払ってまでジュネーブに戻ることとした決断は、完全に敗北にまみれた男のものだった。
ただ、今にも崩れ落ちてしまいそうな自分を支えることができず、一刻も早く帰ることだけが、今の自分にできることのように感じた。
最後のグループワークやアサインメントもパスし、ジュネーブへ逃げ帰る自分。
誰にも打ち明けられない、誰にも頼ることができない孤独な闘い。
自信を失ってしまうと、プライベートも仕事もすべて良い方向へ行かない気がする。
前向きに前向きにと思うものの、一人でいればいるほどうまくいかない。
このトンネルは長いのか短いのかもわからない。
ジュネーブにいる間にUNUMERITの博士課程のコースワークを終えたいと考えていた。
しかし、それが今すべきオプションなのかどうか、今回の夏期講習を経て自信が無くなってしまった。
入学しても、4年間モチベーションを保ってやり抜くことができるのか。また、この仕事を続けていくことができるのか。
今、とても自身がない状態が続いている。
ただ、唯一はっきりしたことがある。
自分がやりたいのは研究ではない。自分の手が届くところで完結する仕事。人と人のつながりを大切にしながら現地に住んで、公私ともに人と一緒に仕事をする。
1年後か、2年後にアジアのポストをとるのが良いのか。どうするのが良いのか。
今は全く自身が無くなってしまった。