国際開発「実務家」学会を作ろうか?
開発協力実務家73人のアンケート結果、63%が実務に役立てるために論文を読みたいと考えていることがわかった。一方、誰かと勉強会を行っている人は1%。皆がチームになって交代で一ヶ月半毎に一本論文レビューして共有すれば毎日一本新しい論文のレビューが読めるようになる。とりあえずこれを実務家でやりたい。
開発協力実務に携わっている方(団体問わずJOCV含む)、実務に役立てるために論文読んだり書いたりしていますか?
— 敦賀一平◆国連職員◆元JICA職員 (@IppeiTsurugaJP) September 8, 2019
立て続けに課題やアイデアを殴り書きした記事をあげてきました。
ここで書いた「実務家が集まるコミュニティ」へ研究者も参加できる環境が整えば実務と研究の融合が一層進むと考えています。ただ、「研究者にインセンティブがない」という指摘については、確かにその通りで、いろいろな人の意見聞いてみたいところです。長く続けることで、こうしたコミュニティと一緒にメンバーが成長していくモデルが現実的かなと思います。専門性が既に突出している人は立ち上げ当初の小さなコミュニティに意義を見出さないのは、どの組織でも同じ。新しい価値を作り、続けることで価値は上がっていく。そういうものだと思います。
ただやはり、何か研究者にもメリット考えたい。私の本業では、実務で問われた質問をリサーチクエッションとして研究機関に発注して共著することは多々あります。今ある課題と必要とされている政策提言を知っているのは実務家と組むメリットなのかなとは思います。
いずれにせよ、受注に繋がるという実益を目的とした人にはメリットはないかもしれません。むしろ機会を利用して、実益に繋げていくんだという人がどれくらいいるか。これはやってみないとわからないところ。
学術学会もオフラインでの会合は年数回の大会があるだけで、年会費一万円で雑誌が届き、大会の参加費用は別途かかります。ネット民的視点から言えば、オフ会が年数回あるコミュニティ。
これをオンラインでやろうとすれば、テレビ会議とSNSで日常的にコミュニケーションできる環境を整え、年次総会という名のオフ会を実施すれば、質はともかく、コミュニケーション機会の数では一般的な学会より多くなる。こうしたコミュニティが複数生まれ、実務家が関心に応じて掛け持ちで参加するようになれば、オンライン上に「仮想実務家学会」が多発する。これは面白い未来図な気はする。
オンライン中心で年に一回「国際開発「実務家」学会」やって、全世界から実務家が集まって議論する。これやりたい。どうだろう。
いずれにせよ、質が低ければ参加者は増えない。そこは創設直後の学会やコミュニティに共通している。そんなことを考え、夜は更けていく。