第一印象を良くするための研修
ILO本部には研修施設が併設されている。
ILOが語学学校と契約していて、職員は格安(一年で5万円くらい)でフランス語、英語、スペイン語などを学ぶことができる。しかも、職務時間中に。
それとは別に年に数回、外部講師を人事部が招いて行う研修があって、その一つに参加した。
今日はその話をしよう。
“Make a great first impression”
“第一印象を良くするための研修”
「あなたは第一印象が悪い」
自分の親に、昔からそうやって言われて育った。
それは自分でもわかっている。
仲の良い友達を作るには数年かかるし、仕事で認めてもらうのにも人一倍時間がかかる。
どう転んでも第一印象で人を引き付けることは不可能だ。
これを克服するにはこれしかない。
参加した動機は色々あるが、これが一番の理由だ。
最初の90秒で第一印象は決まる。
視線。
顔作り。
立ち方。
間合い。
歩み寄り方。
握手の仕方。
握手をしているときの反対側の手の位置。
普段考えもしないようなことをセオリーとともに学び、練習する研修。
これが1時間のセミナーではなく、丸一日かけて行われたことを聞けば驚くのではないだろうか。
私も驚いた。
印象に残った点はいくつかある。
たとえば、心と体の関係。
こういう仕事をしていると、だだっ広いホールで立食パーティーに参加する機会が多いが、私は大嫌いだ。
見ず知らずの人と作り笑顔をして、つまらない話をしなければならない。
「こんにちは、今日も天気は悪いですね」
「ヨーロッパではどこもこんな感じですね、早く春が来るといいですね」
「そうですね」
全くつまらないが、一日に数回は天気の話をする。
こういうつまらない場にいると、心の中では嫌だなとか、早く帰りたいなとか思ってしまうのは当たり前のことである。
ここで気持ちを切り替えるのは極めて難しい。
しかし、心と体が繋がっているのであれば、体の方に変化を与えることで気持ちが切り替わる可能性がある。
TED TALKSの舞台裏。
出演者たちは舞台では自信満々に振る舞う。
しかし、舞台裏のトイレではガッツポーズを無言で繰り返し、自分を鼓舞するプレゼンターがたくさんいるらしい。
聴衆の前で話す緊張と恐怖心に負けそうな心。
ガッツポーズを繰り返すことで体に強気になるように信号を送る。
バカみたいな話だが、これが効くらしい。
もう一つ、大事なことを学んだ。
第一印象を良くするための質問。
会話の一番最初に聞くべき3つの質問がある。
これは企業秘密だからここでは書けないけどね。