国際機関職員にとってソーシャルメディアは営業、広報、調達ツール

ILOは零細企業や個人事業主の集団であると、私は常々思っている。実際、組織対応ではなく、何でもかんでもすべて個人がやらねばならない場面があり、組織的にもそうするように言われている。

スタッフの採用やや業務委託先の調達に関して、ILOが組織としてサポートしてくれるかというと、全くサポートしてくれない。残念ながら、これは公式に言われていることで、「専門家や事業運営に必要な人材確保、業務委託での人材確保に関しては組織はサポートしないので、それぞれ個人で対応してください」と言われている。

他の国際機関であれば、ロスターという専門家プールを組織的に運営するが、ILOは個人に任せますと公式に言われている。そのため、LinkedInや英語のXで普段の業務や私の考えを頻繁に高頻度で発信することで、専門家のネットワークを個人レベルで作っている。広報兼調達のために大切なツールとなっているわけだ。

これにより実際に、この仕事なら私もできる可能性があるので、履歴書を送るから機会があったら声をかけてくださいという人から多数連絡をいただいている。これは非常にありがたいことで、まさにそれを狙ってLinkedInで発信してきた。

英語のXに関しては、インドネシア語で翻訳して日常的に発信している。これはインドネシア国内の有識者や研究機関の人々とやり取りするためである。こうすることで、有識者が政策対話をする場で声をかけてもらえることが増える。実際にソーシャルメディア経由で声をかけてもらったことも何度もある。先日も国連本部からの出張者が、私のLinkedInでの発信を見て、打ち合わせの申し込みをしてきた。まさに、営業である。日常的に無数の人々へ発信することで、その数パーセントの人々から声を掛けてもらい、それが仕事につながる。

ちなみに、インドネシアからはお金を貰わないようにしている。AI翻訳が発達したことによって、インドネシア語で政策について発信することが可能となった。Xでは日常的に政策について発言していて、インドネシア国内の有識者との交流の場となっている。こうした交流を通じて、インドネシア各地の大学で講義をする機会を頂くことも増えてきた。しかし、旅費や謝金の提供を申し出て頂くところも多いが、インドネシア国内からの依頼については無償で引き受けることとしている。こちらが旅費や人件費を支出していることを考えれば、依頼を受けて、こちらがむしろ経費を支出しているということで、民間の感覚では理解できないかもしれない。こうした講演の機会も事業成果として資金提供者へ説明し、インドネシア国外から資金獲得している。

こうした日常的に困難な資金繰りと経営環境に加え、国際機関のあり方を問う、アメリカの動きがある。国際機関は存在意義を問われていることを含め、難しい局面に来ていると思う。


※この記事は、AIが筆者のポッドキャストを文字起こし・執筆し、筆者が編集したものです。