円安と海外駐在国家公務員の生活苦

急な円安で思い出すのは、駐在員の生活苦。ワシントンDC駐在時は、毎月赤字だった。政府機関で外国駐在する場合、国内の収入は大幅に少なく設定され、駐在先別で決められる手当表に基づいて収入が決まる。

手当は、住居費とその他で構成され、住居費分は必ず持ち出しが出る設定になるので、儲かることはない。手当表は各国の物価や健康地・不健康地というカテゴリで分けられる。当時、比重が後者に重きを置いていたので、先進国勤務の私は、多額の住居費と生活費を賄えずにいた。円安時の問題は手当表が年度始めに決定されるので、一年のうちに急激に円安になると、手当の低い若手駐在員は特に生活を維持できなくなる。民間の駐在員と異なり、もともと手当はかなりギリギリで設定されていて、円安効果なしでも、私は赤字だった。今、先進国に駐在する政府機関職員は相当厳しいと思う。

手当表は一年に一度の改定。過去一年で30%円安になっているが、手当は昨年の水準で円建てで設定されている。一応救済措置として、年度末に為替調整分とした支給があるが、為替変動分の実損は到底補填できない額で、愕然としたのを覚えている。もちろん、翌年の改定で前年の損失を取り戻すことができる水準になることはない。急激な円安下、政府機関駐在員・特に先進国駐在員の手当は、国民への説明責任の観点から、個人の生活を脅かすギリギリの設定になっている。今の水準はどうか知りませんが、大変と察します。

最後に、脈略関係なく思うこと。誰かに決められたルーティンをこなす日々は辛いけど、終わりがあるからハナキンが待ち遠しい。自分でやることを決める日々は、楽なように見られるけれど、終わりがない。