採用時のレファレンスチェックに関する留意点
人を雇う時に必ずレファレンスチェックをする。つまり、履歴書に記載されている以前の雇用主に連絡し、色々聞く。新卒を終身雇用で雇う日本では、興信所を雇って身辺調査を行うことが昔からあったが、似たようなもの。
原則、雇用主は正直に情報提供する紳士協定がある。私の田舎のような閉じた世界では、過去の雇用主の推薦が大切で、雇われた後も真面目に働かねば推薦者の顔に泥を塗るということで、みんな一生懸命働いた。しかし、隙あらばサボ人々が多い社会では、レファレンスチェックにいくつかのポイントがある。
過去の上司に根回ししている場合、彼らの言う事の信憑性が怪しくなる。これを回避するためには、履歴書に過去の上司の連絡先をすべて記載するよう応募時に求め、本人の許可なく連絡を入れる。履歴が長ければ長いほど、根回しは困難になる。
候補者が現在雇われている場合、現在の雇用主の言うことは真逆の可能性がある。業績の悪い職員を解雇・雇い止めしたいと考えているとして、レファレンスチェックが舞い込めば、嘘のない範囲で推薦する利点が生まれる。
例えば、「悪いところはたくさんあったが、良いところもたくさんあり、あなたのニーズに合えば問題ないと思う」と伝える。一方、本当に良い人材で失いたくない場合は、これの逆。
これを回避するためには、過去の上司に連絡すること。利害関係が切れていれば、正しい情報が得られる。「もう一度雇いたいか」と聞いて返答が良くない場合、私は絶対に採用しないし、多くの採用担当も同じだろう。
応募者側の視点に立てば、業績を上げ続けることは言わずもがな、業績を上げても評価が悪い理不尽な環境からは去った方が良い。レファレンスチェックで後々足を引っ張られる。