インドネシア版ハローワークと朝のコーヒーを飲みながら、課題と解決方法を話し合う

インドネシアのジャカルタ南部にある労働市場センターを訪問した。この施設は日本のハローワークをモデルに構築されたもので、失業給付の支給、職業紹介、技能訓練が必要な求職者を適切な訓練機会へ繋ぐという、いわゆるワンストップサービスの役割を担っている。

インドネシアには別組織として社会保障実施機関(Badan Penyelenggara Jaminan Sosial: BPJS)が存在する。両組織の連携強化が課題解決の鍵となる可能性がある。具体的には、労働市場センターがBPJSのオフィススペースを借用したり、BPJSの受付担当者に一部業務を委託したりすることで、全国どこでも求職者が求人情報にアクセスできる環境を構築できるのではないかと考えている。この提言は長く続けているものの、組織間の壁が高く、まだ実現には至っていない。

現状のBPJSオフィスでは、老齢貯蓄プログラム(Jaminan Hari Tua: JHT)という制度があり、失業時には積立金を全額引き出すことができる。BPJSの業務の8〜9割がこの引き出し手続きだという。実際には、引き出しに来た人のうち、雇用保険の失業給付を受けられそうな人には、窓口担当者が労働市場センターへの申請も案内している。

労働市場センターとBPJSが公式に連携し、BPJSが全国に持つ約1万の支所を活用すれば、労働市場センターの物理的な存在感を全国に広げることができる。さらに委託費を支払い、BPJSスタッフに地域の求人情報収集業務を任せれば、インドネシア全土に制度・サービスの物理的存在を確立し、求人情報量を大幅に増やせるだろう。

今回の訪問は、インフォーマルな打ち合わせという形で行われた。朝のコーヒーを共に飲みながら、両組織が抱える課題と解決方法について議論を交わした。このような場を設けることで、形式張らない環境での率直な意見交換が可能となり、組織間の壁を徐々に取り払うきっかけにもなる。

現在のインドネシアでは、失業対策が国家的課題となっている。失業者を迅速に新たな雇用へ繋げるシステムと、企業が必要とする労働力を効率的に確保できる仕組みの構築が急務である。両組織の連携は、この二つの課題を同時に解決する可能性を秘めている。

今後の機会にBPJSと労働市場センターの合同会議を設けることができればと考えている。これにより、失業者が早く仕事を見つけ、企業が迅速に労働者を確保できるメカニズムの構築が可能になるだろう。

できることは少ないかもしれないが、この重要な二つの組織を引き合わせ、納得のいく現実的な形で次のステップを具体化できれば、大きな意味を持つ仕事になると考える。特に外部者だからこそ見える視点があり、組織間の壁を取り払う役割を果たせる可能性がある。

この取り組みは個人的な利益を追求するものではない。インドネシアという国とその国民にとって真に有益なことであり、それが自らの業務の一環として取り組むべき課題だと認識している。仮に連携が実現すれば、インドネシア全土に効果的な雇用マッチングシステムが構築され、失業率の低減と経済活性化に大きく貢献するだろう。

長期的な視点で見れば、二つの組織の連携強化により、インドネシアの社会保障制度と雇用政策の統合が進み、より効率的かつ包括的な国民サービスの提供が可能となる。それは単なる制度の改善にとどまらず、インドネシア社会の持続可能な発展にも繋がる重要な一歩となるはずだ。


※この記事は、AIが筆者の音声ファイルを文字起こし・執筆し、筆者が編集したものです。