外国人と日本人の対人距離
日常的に世界中の人たちと仕事をしていると、出身地によって対人距離が異なることにいつも驚く。ここでいう対人距離というのは要するに、話すときに顔がやたらと近かったり、ということだ。
一番手近なところからいえば、私のような純ジャパにとっては、西洋人があいさつでキスをしあうのがあまり心地よくない。郷にいては郷に従えということで、仕方なく合わせることもある。ただ、心地よくないので、極力先に手を差し出して握手するようにしている。赤の他人と頬っぺたと頬っぺたをベタベタくっつけて、チュッチュと音御鳴らすことはいまだになれない。
もう一つよくある場面は、レストランでの座席選び。学食や社食をイメージしてほしい。200人くらい座ることができるだだっ広いレストラン。純ジャパの私的には、なるべく間隔をとって、自分のテリトリーを確保し、同時に他人のパーソナルスペースを侵害しないように気を付けるものである。ところが、西洋人やアラブ人に至っては、近くに座るどころか、真横に座ったり、私を取り囲むように座って、私の頭越しに会話をする人もしばしばいる。周りを見渡せばスペースはたくさんあるのに、あえて隣へ座り、大声で会話したりする。日本では考えられないことだが、よくある話である。
パーソナルスペースというのは、どんなに国際化が進んでも慣れないものだと思う。日本人が外国人に対して苦手意識を持ったり、不快に感じたりする一番の理由は、突き詰めればこういうことなのだろうと感じるこの頃である。